懐かしい再会


去年のクリスマスイブ以来で、まなちゃんと話をしたが今月はかなりのイメージチェンジを計画し
ているようで、次回の撮影が楽しみである。
ぱっと見のイメージと、実際のまなちゃんでは違うところも多く、好きな音楽のジャンルもブラッ
ク系がほとんどで、クルマで移動中もCDで曲を流すと、隣でリズムを取ってたりすることもある
のだ。
それで、このイメチェンと次回の撮影が上手くマッチしそうだと言っていたしし、楽しんで撮影が
できそうな気がしてきた。
今回私が小道具として用意したものの写真をみて、アメリカ帰りのまなちゃんは流行ってるみたい
で、よく見かけたらしく、面白しろそうだと言ってくれたのでまずは一安心。

ここしばらく、本業の方でとても忙しくさせてもらっており、この原稿を書くのだって大変なので
ある。帰宅するとメールがたまっているし、自分の時間は完全に日にちが変わってからってことに
なる。
そして朝になれば仕事が始まって、深夜に帰宅ってことなので、木曜日に時間を見つけて学校から
帰ってきたばかりと思われる時間にまなちゃんと話しをしたが、メールだけでは感じ取れない部分
もあって、次回の撮影のこととかを話す場合も、まなちゃんの気分のノリ具合も声のトーンで感じ
ることが出来る。また、大体は世間話なのであるが、その中から今回のイメチェンの話題とかも聞
く事が出来て、私としても撮影プランのヒントにさせてもらったりするのだ。
だからと言って、撮影の打ち合わせが目的で電話で話すということでもない。

今朝、神戸の三宮駅のホームを歩いてると、ジーンズに黒いコートを着たスラッとした女の子が、
大きなバックを足元に転がして立っていた。そんなオシャレをしてるって感じでもないんだけど、
周りの女の子とは、どこか違う光を放っていたわけだ。
本能的?ってわけでもないが、それを遠くから嗅ぎ付けた私は彼女に近づくにつれて、以前撮影し
たことのあるモデルであることに気が付いた。
これから、撮影であのバックには衣装などが入っているのであろう。

確か、手紙をもらった時に住所が三宮付近であったことを思い出し、そんなあの頃のことを一瞬の
間に思い出すことに励んだ。早く思い出さねば・・・名前ぐらい思い出さないと・・・下の名前は
真由美ちゃんだったことは直ぐに思い出したのだが、名字がなんであったのか記憶をだぐりながら、
色んなことを思い出していた。しかし仕事で珍しくオツムを使っているからか、血の巡りが悪い。

そうそう、私が撮影した写真をあげて、初めて喜びを思いっきり表現してくれて私としても自信と
なり、それが今のまなちゃんの撮影に繋がっているのである。
あの撮影以来、近くに居ながら会ったことも無く、TVでゴルフ番組の司会をしているのを見た程
度であった。

ちょうど目の前に来た時に、すべてを思い出していた私であるが、真由美ちゃんが私のことをすっ
かり忘れていたりしたら完全なピエロであるが、スーツ姿の私を見つけて「おはようございます!」
と来た。覚えててくれたみたいで、ちょうど今から撮影だということであり、朝から深夜までつま
らん仕事に追われている自分の現実が馬鹿らしく思えたりしたが、久々に懐かしいモデルに偶然出
会ったことで、多少は気分も晴れやかになった。
「最近撮影してないんですか?」って私の姿を下から上まで見ながら笑っていたが、そう思われて
も仕方ない格好してるのだから仕方が無い。
先日まなちゃんが撮影で着た織田裕二扮する青島警部補ばりのコートを指差しながら、「ここにさ
さやかな抵抗が見れるね」って的確な指摘をされてしまった。「また撮って下さいよー」なんて言
われてしまったが、私はあれからもずっとモデルを続けてくれていた事が、何故だか嬉しかったの
である。

彼女もモデルとして成長しただろうし、私もあの頃とはまた違ったものを撮れる気がしたが、真由
美ちゃんとは、あの頃のいっぱいいっぱいの撮影の思い出にしておきたいという気分であり、印象
に残るカメラマンでいれただけで、充分であった。
今の私には、撮りたいと思うモデルがいるのだから。

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