ベッサRに切り替える?
今フォクトレンダーのベッサRが紙面上で話題の中心になっているようで、コニカのヘキサRFの
ネタが切れ掛かったタイミングで上手い具合に、ベッサ−Rの登場である。
ヘキサRFには、今のところ興味がないとここで書いたばかりであるが、ベッサRとなれば、話は
ちょっと違ってくる。
レンジファインダー機が欲しいとかそういうのではなくて、ベッサLを愛用しているとしては、気
になってしまうのは普通の流れである。
超広角専用機として、ベッサLを去年発売とほぼ同時に購入し、スーパーワイドハリアー15mm
を使っているが、このスクリューマウントが使える安いレンジファインダーボディにバージョンア
ップして、50mmから90mmクラスのレンズも揃えられれば、これ一台でちょっとしたスナッ
プに使えるような気がしたのである。
これらであれば、交換レンズもボディも軽量コンパクトでいいんじゃない!ってことに安直に考え
てしまえるのである。
しかし、よく考えてみると、そう簡単には行かないのがこのベッサシリーズってことになる。
この2台のボディは完全に役割分担を別けてあるようなのである。
目測ピントのベッサLは完全に広角レンズとペアで使うことを前提に設計されているようで、外付
けファインダーを使っての撮影用なのである。
だから、TTL露出計の露出表示もボディ上部の外側にLEDが光るようになっていて、外付けフ
ァインダーを見ながら、露出のチェックがしやすいようになっている。
その点、ベッサRは当然の事ながらレンジファインダーの中に露出表示が存在する。
しかし、15mmレンズの広角域をカバーできるファインダーではないので、結局は外付けファイ
ンダーを装着しなければいけないわけだから、露出のチェックはいちいちファインダーを覗き込む
必要があり、使い勝手がイマイチ悪そうだ。
しかし、ベッサLで私が不満であったところがことごとく改善されており、魅力あるボディに仕上
がっていて、¥68000は安いと思うのだ。確かにコニカRFは何かと便利でAEやワインダー
が装備されているが、スナップ機と割り切るのであればベッサで十分である。
時にはAEを備えていないカメラで撮るのも面白いし、忘れかけていた感覚が蘇るようでもある。
とにかく、超広角が使えなくなってしまうのであれば、本末転倒なのであって、私にとってベッサ
を使う意味がない。あのスーパーワイドハリアー15mmを使いたいがためにベッサを使っている
ようなものなのだから。
しかし、元々がメカ好きの私にとってベッサRが非常に魅力的であることに間違いのないことで、
ベッサでシリーズ化させてみるのも面白いかもしれない。
こんなことを書くと、私が最近機材をあれこれと手を広げないことを指摘してきた人がニンマリし
ているかもしれない。
もし、ベッサRを導入した場合、現在のベッサLとボディを2台持ち歩くことは、軽量コンパクト
理論から外れることになるので避けたいが、15mmをつけたベッサLと距離計連動タイプのレン
ズをつけたベッサRを並行して使って、レンズ交換の手間を省くってのも一つの方法である。
しかし、EOSシリーズとの併用を考えると、ベッサRでスーパーワイドハリアー15mmを使う
ことを前向きに考えればいいわけだ。
実際、スーパーワイドハリアー15mmでの撮影を思い起こしてみると、それほど頻繁に露出の微
調整を行いながらの撮影などしないのである。それよりも、この特殊な広角域の世界を活かしたフ
レーミングと、シャッターチャンスに80%の神経を注いでいるのだ。
だから、完全に構図を切り替えたり明らかに露出に変化があると感じたときに、露出表示を気にす
る程度なのである。どっちみち、15mmなんて超広角の世界では空の青さや周りの雰囲気を伝え
るための露出にだけ注意すればよく、望遠系のように肌の描写云々という微妙な世界はない。
だから、露出のチェックをする時にファインダー内で確認することはそれほど困ったことでもない
のである。露出計が付いているだけラッキーだと思えばなんでもないことなのだから。
と、こんな事を考えてしまうのも、新しいEOS−1を待ちくたびれたことが原因なんだけど、時
にはこんなことを色々と考えるのも楽しいものだ。