待ってましたのEOS−1V


先日、ベッサRのことについて書いたが、そんなことを忘れてしまうニュースがそれを書いた直後
に私のもとに入ってきた。
こんなサイトを持っていると、あちこちから色んな情報が入ってくるが、今回ばかりはかなりのビ
ックニュースとなった。
と、言うのも私にニュースを流して、ここで何か書かせようとしているのが分かっているだけに、
期待に応えないといけなさそうだな・・・

それはそうと、この1Vであるが去年の11月頃に発表だという噂が広まったこともあったが、結
局ガセネタであり、最近カメラ雑誌でまったく新EOS−1の話題やスペック予想が出なかったの
は、実機がすでに完成していて、そんな記事が意味をなさなくなったからだろうと思っていたが、
やはりその予想は当たっていたようだ。

まず、ネーミング自体がありそうで今まで噂では聞かなかった1Vというもので、1NのRSのエ
ンブレムが輝いていた位置に渋く“V”の文字が入っている。
デザインは、EOS−1シリーズ伝統の鉄かぶと形で、内臓ストロボは装備されていない。今回は
さらにカブトムシルックに磨きがかかったとでもいうか、今まで上品さも感じていたペンタ部分が
かなりアグレッシヴなイメージとなっている。

視線入力の搭載はやはり見送られたが、45点の測距点はEOS−3のCMOSエリアセンサーの
完成度がよかっただけに、さらに高性能化されて継続使用されているようだ。

あと、10コマ/秒の連続撮影など、動力性能ではF5を超えてきた部分も多く、オリンピックイ
ヤーモデルらしいパワーアップが行われている。
私としては、1NのHS程度のパワーがあれば、ポートレート撮影では充分であるから、その点は
特に興味を引く内容ではない。

今回の大きな変更点として、EOSにもとうとう金属ボディーが使われるようになったということ
で、今までのエンジニアリングプラスチックに自信を持っていたキヤノンであるが、競合他社の金
属ボディー攻撃にたまりかねて出してきたって感じで、素材としてはマグネシウムで私としては、
お気に入りのGR1sと同じで気に入っているし、早く触ってみたいものだ。

それと、もうひとつ他社に遅れをとっていたのが、撮影データの記録機能であるが、後発であるだ
けにその充実振りには驚かされる。そのなかでも、PCに接続してボディー単体での20種類のカ
スタムファンクションに加えて30種もの細かい設定が出来るようになり「痒いところに手が届く」
設定が可能になったことである。
その設定内容で私が気に入ったのが‘各種タイマー保持時間を変更する’ってやつで、今までのよ
うにAEロックがタイムアウトする心配がこれで解消するわけだ。他にも使っていていろいろとカ
スタマイズできそうである。

とか何とか言っても、気になるのは45点もの測距点を手動でどうコントロールするかであろう。
EOS−3で視線入力を使いこなしている私としては、それに勝るスピーディーさを要求したいの
は当然である。
なんでも、新規採用の“アシストボタン”てやらがついているらしく、使用頻度の高い測距点を登
録できて、瞬時に切り替えられるということなので、この仕組みについては興味があるし、使える
機能であることを願うばかりである。

そして、問題の価格であるが、27万円と金属ボディーをおごってきた割には安いのではないか。
しかし、このボディーの価格はパワードライブブースター(PB−E2)装着したHS仕様の値段
が、325,000円ってことで、ライバルF5とまったく同じであることに意味があって、そこ
から単にブースター分を引いたらこうなったってことじゃないかと思ってしまう。

だから、私のEOS−3のPB−E2がそのまま付くわけで、いつでも直ぐにHSになるのも、キ
ヤノンがFDマウントを捨てて、EFマウントに完全移行したことを、ユーザーのことを考えない
企業だと怒ってばかりいないで、EOS−1からEOS−3まで一貫して共通で使える配慮は評価
したいのである。

ということで、1Vが私のラインアップに加わるとなると、メインに1V HSは当然で、サブとし
て3の素ボディーで軽量化を計るというのもいい。それに、3は素ボディーでも4.3コマ/秒が
切れ、1Vの素ボディーでは1Nより0.5コマ速くなったものの3.5コマというのも考慮した
上でのことだ。

金属ボディーを採用したからには、もう1点EOSのウィークポイントであったファインダーの性
能がどうかが気になるところだ。新参のαー9が頑張っているだけに、新採用のEc-CIIIタイプ
のフォーカシングスクリーンが気になるところだ。
私は過去にもこの撮影雑記で書いているように、超大口径レンズを多く持っているキヤノンが何故
そのレンズのボケ具合が確認できないようなハンパなスクリーンしか用意していないかが理解でき
ないでいたのである。レンズ開発することを考えればスクリーンを作ることなど朝飯前なのではな
いだろうか?
カメラマンとカメラを結ぶ一番大事なマンマシン・インターフェースであるファインダーを軽視し
ないでいただきたいものである。

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