この一本があればよかった頃


久し振りに、ちょっくらレンズの話でもしてみるか。
ポートレートを撮りだした頃は、大きなスポンサーの付いた撮影会がメインであったため、何は無くとも70−200クラスのF2.8レンズが一番のお宝であった。最初にシグマの70−210を買って、それを使うようになってから撮影会に参加しようと思うようになった。
それまでは、風景やスナップがメインであった私であるが、このシグマの大口径望遠ズームとの出会いが、今の私を作ったと言っても過言ではない。

もちろん、その頃は初代のEOS−1を使っており、もちろんキヤノン純正のレンズが欲しかったのであるが、しばらくシグマ製を使って撮影会で腕を磨いていたわけだ。
まぁ、当時のEF80−200F2.8Lはそれほど魅力的に感じなかったが、その後登場した白いLレンズは、発売と同時に買ってしまったのである。
こんなのを出されてしまうと、表面の安っぽい塗装が剥げ落ち、テカテカになったシグマのレンズがあまりにもみすぼらしく感じたものだ。

画質的にはそれほど大きな開きがあるとは思えなかったというか、そこまで見る目がなかったのか、撮影会がメインとなれば、白い最新のLレンズを振り回すことがカッコよかったのを記憶している。ピントがスーッと合うのも気持ちよかったな。
とにかくこのレンズを使いまくって、何人のモデルを撮ったであろうか。
参加した撮影会が大規模なだけに、この望遠ズームが無ければ話しにならない状態であった。

また、モデルとカメラマンの位置関係が決まってしまうような大撮影会の場合では、露出をスポット測光で決めようとすると、どうしてもズームが有効なのである。
それは、ズーミングしてテレ側で顔をスポット測光し、そのままAEロック状態でフレーミングを整えるためのズームという感じである。
当時の私は、そんな低レベルな撮影で満足していたわけだ。
今はここで、偉そうに単レンズを推奨してたりするが、かく言う私こそズームに頼った撮影をしていたってことなのである。もうこれ1本あれば何も要らないとさえ思っていたのであるから、恐ろしいものだ。
しかし、モノは言いようで、そういう時期があったからこそ、その良し悪しが口に出来るのかもしれない。

最初から恵まれた撮影をしてきた人とは違うし、その分他のカメラマンとのいい表情争奪戦の戦歴は長く、そんな下積み生活の中で、今の私の表情をなによりも優先する撮影スタイルが出来上がったとも言えるのである。
しかし、その頃は所詮ズームリングをグリグリするだけであるから、モデルの女の子との距離感がこれほどまでに重要であることなど、知る由も無かったのである。
大口径望遠ズームの最高峰を手にし、大きく綺麗なボケを楽しんで「やっぱりこいつはいいよな」って一人悦に浸っていたわけだ。

そんな私も、やがて個人撮影のモデルが見つかり撮りはじめることになるが、そのモデルと言うのが今でも最高の友達とも言えるMiwaであり、ヤツとの撮影をはじめた頃に買ったのが憧れの単レンズとして有名なEF85mmF1.2Lである。
そうこうしている内に、レンズが増え続け、TSレンズにまで手を染めるような単レンズフリークとなったのだ。
その単レンズの中でも、最高に気持ちのいいレンズがEF135mmF2Lであり、最近の茜ちゃんの撮影では、使用頻度がかなり高い。
人気のある茜ちゃんであるから、そう簡単に接近戦に持ち込むことは難しく、他のカメラマンの迷惑にならないようにするには、望遠系を多用するが、この135を使った後では、かつての撮影会スペシャルであった70−200では、どうもファインダーでのキレが悪い=気分もノラない。
すっきりくっきりがこれほど気持ちのいいものだとは思いもしなかったが、どうしてもズームは使う気になれず、85、50と単レンズを使ってしまうのである。

で、この2本を使って今日は日暮れ時にまなちゃんを2本神戸で撮ったが、買い物の合間のひと時に、ちょっとホームグラウンドの神戸北公園に行って来たが、肝心のまなちゃんをまだ連れて来ていなかったのも不思議である。
明日は、今日買ったジーンズをはいてもらうとしよう。
という事で、今日のオマケ画像は、買い物に行ったマリンピア神戸PORTO BAZARでのデジカメで撮ったものだが、ヘアスタイルが変わったことにお気付きだろうか?今までで一番短くカットしていたが、なかなかショートもいいじゃん。

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