『素顔のままで』回想録−12


第20弾 2000.07.01 広島県三次市 Part1 高野町/口和町ほたる見公園付近 Part2

この撮影の前夜は焼肉を食べに行った後、近くのほたる見公園に蛍を見に行って来たのだが、清流の流れに沿って乱舞する蛍の淡い光は今でも鮮明に覚えている。
手を伸ばさなければ、まなちゃんがそばにいる事が確認出来ないほどの暗闇で、川沿いの道を蛍の光を頼りに歩くのもなかなかおつなものであった。

翌朝はドピーカン状態で、日陰に入らないと光線が強すぎるぐらいであった。その日は川で撮りたいと思っていたのだが、なかなかいい感じの日陰の場所が見つからないまま、三次の中心部からどんどん離れて行ったのだが、クルマがほとんど通らないと思われる雑草が生い茂った道を進んで行くと、崖にコンクリートで塀を作ったようなトンネル状の場所を見つけた。

その日のファーストカットはここで撮ろうと決めて、黄緑色のワンピース姿で撮りだしたのだが、ふとモノクロで撮りたくなったのである。いつもモノクロフィルムは用意しているが、そう感じた時に使うと決めていたのである。

その後、いい感じの川を探して高野町の方までドライブである。いい感じの場所はあっても、そこに降りることが出来ないのだ。そんな感じでまなちゃんの実家の方までやって来たが、その時目にとまったのが吊り橋で、まなちゃんに聞くと子供の頃にそこを渡った時に恐くて仕方がなかったという事だ。そこを裸足で恐る恐る渡る後ろ姿がなんとも可愛い。私も後を追ったのだが、90kgの体重を支えることが出来ず、古くなった板がミシミシと音を立てるのである。久々に楽しいスリルを味わった気分である。

さぁー、もっと撮るぞーってところで、急に雲行きが怪しくなって夕立が降りだしたので、高野町を後にして慌てて三次の方へ戻ったが、途中で雨をしのげる橋の下で撮ることにした。かなり光量的に厳しい条件だったが、水に濡れるまなちゃんがなかなかいい感じで清潔感バッチリであった。

最後は、蛍を見に行った川である。この頃には夕立も上がって夕陽が眩しいぐらいであったが、相変わらずまなちゃんはいい調子で、今日はこれぐらいにして美味いもんでも食べに行こうかってことで、濡れた服から紺のワンピースに着替えたまなちゃんだが、「ちょっと、いいんじゃない!」って感じで一本だけ撮ることにしたのだが、最後の最後にこの日の締めくくりにふさわしい撮影をさせてくれた。こう言うのが次に繋がるんだよねー。


第21弾 2000.08.05 ポートアイランド南公園 Part1 北公園 Part2

夏休みになって、まなちゃんが遊びに来てくれた。去年同様、新大阪までお迎えで、そのまま神戸まで買い物だ。とにかくこの日はまなちゃんの買い物最優先で大サービスの予定であったが、夜になって、やっとまなちゃんの探していたジーンズも見つかり、やれやれである。
その前に、ポートアイランドの北公園で少し撮影したのだが、天気が悪くて続きはまた明日ってことで、ミナミに寿司を食べに行く事にした。

翌日は、4時頃に再びポートアイランドに舞い戻って、私がまなちゃんのために暖めていた、取って置きのポイントである。南公園から更に南に延々と続くムービングウォークだが、それまで広島の自然の中での撮影が多かったが、久々にカッコいいまなちゃんを見せてくれた。髪もショートにして、買ったばかりのジーンズとの相性もいい。

その撮影の途中から妙な風が吹き出して、また夕立である。その雨が降っている間に着替えと移動をして、再び北公園にやって来た。ここは私のホームグラウンドであるのにもかかわらず、一度もまなちゃんを連れてきた事がなかったのである。

あいにく、夕立の雨は止んだものの雲が晴れないままであったが、まなちゃんとここに来れたことが嬉しかった。さて、そろそろ引き上げようか・・・って機材を片付けた途端に、雲が切れて鮮やかな夕陽が神戸大橋の向こうから射し込んで来たので、天の恵みとばかりに再び準備をして一本撮ったが、この北公園で一番オイシイ光で撮れたことは大きかった。

という感じで、22弾まで続いた『素顔のままで』の21弾までをざっと振り返ってみたが、我ながらよく覚えているものである。不思議に、ごちゃごちゃになることはないのだ。
それは、イメージとしての記憶がしっかり残っているからであろう。
色々と忙しくなってきた私であるが、この『素顔のままで』は私の原点であり、これからも大事にして行くつもりであるが、こればっかりは、私一人で頑張ったところでどうにもなるものではなく、パートナーのまなちゃんの協力なくしては実現できない。ってことで、これからもよろしくネ、まなちゃん。

<−戻る