的確な指摘


ポートレートを撮っている人なら、神谷則明氏の名前はカメラ雑誌等で見覚えがあると思うが、時々お互いの新作公開時には、簡単ではあるが意見交換することがある。
その中で、最近の『素顔のままで』第23弾について、神谷氏はこう言ってくれている。
勝手に引用して無礼だと思うが、彼らしい分析だと感心させられ、再認識させられたのである。

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「まなちゃん、どんどん大人っぽくなっていきますね。」
神谷's Choiceは です。
こういうスピード感(奥行き)の出し方、Joeさんらしくて好きです。
自分もやるし。
あと、
現場の空気感とでもいうのかな、大切なカットだと思います。
ここ、近所だったら使いたいロケ地ですね。
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まなちゃんが、大人っぽくなったと言うことだが、確かにこれは私も感じている。
しかし、大阪にいた頃に比べ、プライベートでは一見若返ったようにも見える。再び学生生活に戻ったことや、故郷に帰ったことで、少し背伸びをしていた大阪時代と比べて、ナチュラルさを取り戻したのかもしれない。
しかし、先日のようにご飯を食べに行く時に色っぽい服を着られたりすると、いい女になってきたな・・・って思うし、写真に写った姿を見ると、決して背伸びをすることなく確実に大人っぽくなってきていると感じる。

神谷氏が気に入ってくれたカットのような撮り方って、言われてみれば時々やってるし、背景に奥行きを感じさせる構図が私は好きなのである。
しかし、それをスピード感≠ニ表現するあたり、やっぱり一味違うと感じたし、私も改めてなるほど・・・となったわけである。
そう言えば、夏に神戸で撮った、 も似たイメージがあるが、自然とこういう撮り方をしているようだ。
ある人は、このモノクロの廃工場でのカットを後光が射してる色っぽい観音様≠ニ面白い表現をしていたが、人それぞれ色んな見方があるものだ。

この庄原の廃工場については、丸一日かけてゆっくり撮影できるほど、奥が深い場所であった。
通りかかった時の印象よりもずっと広く、見れば見るほど不思議な場所である。20年前はここで何が造られていたのだろう・・・?って思いをめぐらせてしまう不思議な朽ち果てた空間である。
そんな場所で、たった一時間という撮影で切り上げたのだが、またそこが良かったのかもしれない。いや、またいつか強烈な光が差し込むような日に、再度一時間撮影を行うかもしれない。
それほど、魅力的な場所であるが、これが都会のど真ん中であれば、20年間も今にも崩れそうな状態のままでは、とても危なくて放っては置けなかったであろう。

つい先日鳥取県で大きな地震があったが、余震でも来たら絶対どこかが崩れて来るような気がして、「もし今地震が来たらどっちに逃げる?」って聞いてみたりしたが、予想外に冷静に判断しているまなちゃんが可笑しかった。だが、神戸の地震を三宮で直撃された経験のある私とすれば、半分大真面目でもあったのだ。今グラッと来たらまなちゃんの手を引いて、どっちに逃げればいいかってね。

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