新展開の兆し


最近、今までに無く仕事がはかどっている。午後から眠くなることも無く、いい感じで進むのだ。辞表は出したものの、今月一杯は今まで通り仕事をするってことで、どうにか円満退職できそう？である。残り２週間ちょっとで永年勤めた仕事ともお別れ、いやオサラバ出来るのだ。
この爽快感は今まで感じた事の無いモノで、つくずく不向きな仕事をしていたのだと再確認しているところだ。
まなちゃんは、以前からぜんぜんサラリーマンっぽくないって言ってたし、やはりそういう印象ってのは、当たっているもんだろうな。それに、まなちゃんの前での姿と職場で人格を変えれるほど器用でもズルくもないのだから、無理せず自然に任せてみるつもりである。

私が脱サラするって事を知った何人かは驚きつつも、やりかねないって感じていたみたいだし、そう言う思い切ったことが出来ることが羨ましいと言う人もいる。それは、淋しさを漂わせるどころか逆に楽しげであり、先のことを不安に思うこともなく吹っ切れた様子からそう感じるのであろう。元々、細かい事を考えて行動にブレーキをかけるタイプではないし、なんでもプラス思考に考える方なので、分かりもしない先のことを考えて悩んでたって時間の無駄。
とにかく今は、無事に円満退職して次に繋げるのが今の仕事で、特に最後だって意識してるわけでもないのだが、もやもやが無くなって実に気分良く仕事ができているのである。しかし、気が合う友達まで忘れ去るほど、冷たい人間でもない。

それで、来月になると新しい世界に踏み出すのだが、何故か自由の身になれるような開放感がある。別に遊んで暮らすわけじゃないが、そう言う気分なのである。
これからは、月曜から金曜まで定時間内完全に束縛されるような事も無くなるので、今まで出来なかったことが色々とやれると思うと、楽しい気分になるなと言うのは無理な話だ。

そのひとつとしては、撮影の仕事を受けることができるってのがある。副業が禁止されている組織の一員でもなければ、時間的な問題もクリアしやすい。
それに、まなちゃんに２年前にリクエストされていたことも、実現してやれそうなのだ。
まなちゃんは、そんなこと私が忘れてしまっていると思っていることだろう。しかし、ずっと気になっていたものの、なかなか実現できずにいたのである。
過去には、もっと小さな事だが「Ｊｏｅさんわすれてるのかなー？って思ってけど覚えてくれてたんだね」ってことはあったが、すぐに叶えてあげれることとそうでないことがあるもんだ。
しかし、そんな難題？をおねだりされるのは嬉しいことでもあるんだ。

まなちゃんも今年は看護学校の３年生になって、ますます忙しくなるが実際に看護婦になってしまったら、学生の時のようなわけにはいかないので、残された時間はあと一年ちょっとってことになる。それまでには何とかしてコイツだけは実現させてやりたいと思うし、私自身の目標として今後の励みにもなるのである。

仕事として撮影を受ける事にするって言ったことで、一般的に言われているようなプロカメラマンになると思われてしまうのは無理もないが、そうではないのだ。基本的に別人になったわけでもなければ、写真についての考え方が変わったわけでもなく、"好きなことしかやらない"ってスタンスは変わらないのである。だから撮影してたんまり儲けようとか、それでメシを食おうなんてことも考えていない。だから、まなちゃんとの撮影はこれからもプライオリティーの変化はない。

とは言っても、今まで続けてきたマンツーマン撮影に対する気持ちは同じでも、仕事として受ける撮影に関してはサラリーマンの趣味の延長ではやるつもりはないし、撮影だけでなく今後はすべて自分の力だけで生き抜いていかなければならないのだから、何事も性根の入り方が違うってもんだ。それが上手く行けば、今まで以上に経済的にも余裕が出てくるので、撮りたいモデルが現れれば、撮影会に参加するなんてケチな真似もしなくてもいいのだ。

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