解り合いたい
以前、撮影依頼を受けたものの、関東だと言うことで実現できなかった女優の川原京さんのサイトに、このようなことが書かれている。
「なにも考えないで、カメラの前に立つようにする。
なにも考えないのは
なにも感じないのとは、ずいぶん違う。
ただ、そこで、生命体に、なる。」
なかなかステキだなーって、その時も感じたのだが、今になっても同じ想いである。
また、こう言うことを文字として、ある意味客観的に表現出来るのも、すごいことなのかもしれない。
そう言えば、まなちゃんと出会った頃に、私との間にこんなやり取りがあったことを思い出した。
その当時もここで紹介したが、今一度紹介する事にするが、撮影したポジをスキャンしてメールで送るのは、この頃から私たちの間ではじまったのである。
でも、改めて読み返してみると、今とは違ってかなり他人行儀な書き方で笑ってしまう。
《Joe》
今まであまり見せたことがないようなのを送るね。
ソフトフォーカスのフィルターで撮ったやつだよ。
今日の作った作品の中での一番のお気に入りかな。
バックの川のせせらぎと、ふんわりとしたまなちゃんの姿が
いいマッチングだと思うけどなぁ。
それからね、この写真を見てて思ったんだけど、聞いてくれる?
この優しい朝日を浴びて・・・ 川のせせらぎがキラキラしてて・・・
ここに誰が立ってても、いいのかもしれないけれど・・・
それは、まなちゃんじゃなければいけなかったって、妙に納得してしまったよ。
まなちゃん以外じゃ考えられないんじゃないかな・・・? ってね。
そんな写真って、めったに撮れるもんじゃないんだよ。
まなちゃんに出会えて、すごくよかったって思ってる。
《まな》
あの時はただ、静かで、澄んでる朝をイメージして自分自身が朝になっただけ。
だから、なにも頭で考えないの。
頭を透明にして自然でいたの。
でも、こんな事いわれたら、モデルとしてもうれしいな。
一番のほめ言葉だよ。
こんなモデルと撮影できているだけでも、他のカメラマンより幸せ者だと言うのに、プライベートでも時間を持て、色々と話せる関係になれているのは、本当にいい相手に恵まれたものだと思うのである。
であるから、まなちゃんとの撮影では、私はあれこれ注文は付けない。1言えば10解ってくれるし、彼女なりに消化した結果を見るのが楽しみでもあるのだ。
メジャーなRQだって、目線を外すカットを撮る時に、「どこ見ればイイんですかぁ?」って聞いてくるんだから、追っかけカメラ小僧ばかり相手をしてると、せっかくの美貌も宝の持ち腐れで終わってしまいかねない。なんでもかんでもニッコリ笑えばいいってもんじゃないだろう。