『素顔のままで』第27弾!


8月に入ってから、2週間シカゴ、ニューヨーク、レイクプラシッドと旅してきたまなちゃんだが、学生生活最後の夏休みの終わりに、滑り込みで広島に行く事が出来た。
26日から行く予定であったが、台風の後に秋雨前線が西からやってきており、雨の予報だったので延期したが、実際は予報を覆して晴れの日が続いていた。だったらいつものように強行すればよかったと思いつつ、まなちゃんにはいつでも行けるように準備をしてもらっていたのである。それで、急遽28日の朝から向かう事にした。今回、これほど天気を気にしたのは、自転車に乗ったシーンを撮る予定であったからで、これだけはいい天気で元気に撮りたいと思っていたし、そのイメージが出来上がっていた。

28日は昼過ぎに三次に着いて、しばらくゆっくりして2時ごろから撮影に向かった。以前、無人駅シリーズを撮った辺りに行ったが、横道に入るとまた新しくいいロケーションが見つかる。そんな発見が毎回楽しめるのも、私が広島北部に通い続けている理由のひとつである。大阪だとどうしても人工的な施設でしか撮れないが、ここはありのままが素晴らしいのである。そう言えば、大阪ではあちこちに公園があるが、ここではそれが殆んど無いのもうなずける。
で、28日はまなちゃんが大阪にいた頃によく着ていた服を思い出させるものであった。

29日は、午前は七塚原の牧場で自転車を使った撮影だが、事前に自転車と並走してクルマを走らせてくれる人をお願いしていたのである。それで、看護学校の友達が来てくれることになった。
もう、これだけで半分成功したようなもので、単に自転車を小道具に使っただけの撮影じゃなく、実際に乗ってもらいたいと思っていて、それを走って追いかけても限界があるし、適度なブレを活かした撮影は無理がある。そうなるとどうしてもクルマを使いたいと思っていたのだ。表情重視で撮ってきた私の撮影であるが、時にはこう言うのもいいだろう。

もちろん、クルマを降りての流し撮りもしたし、私が小走りで追いかけながらの撮影もしてみた。ただ、私に合わせてゆっくり自転車をこいでくれた場合と、クルマを使ってスピードを出した時では、かなり違った仕上がりになったようだ。
撮影が始まると、それまで自転車の後を追って走り回っていたジュンはちょっとクルマの中でお留守番である。今回はジュンの登場は無いが、しっかりまなちゃんの膝の上で大人しくお供していた。

午後は、雰囲気をガラっと変えての撮影だが、その前に運転を引き受けてくれた女の子を交えて近くのオシャレなパスタ屋でお昼にすることにした。
その後、北上しながらロケ地を探すいつものパターンだが、今回はちょうど稲刈り直前の稲穂が綺麗だと思いながらクルマを走らせての撮影であった。
途中、川に降りてみたが、ちょうど雲に太陽が隠れて光がフラットになったタイミングでモノクロも久し振りに使ってみた。これだけは、事前に使うことを予定しないで、使いたくなった時に使うことにしている。

高野町に入って、どこに行こうかと思っていたら、目の前に毛無山牧場の標識が見えてきた。去年の9月にも訪れているが、あの時は午前中であったので、夕方に近づいた時間帯ではまた違った景色を見せてくれる。また山に登る事で傾きかけた太陽が山の陰に隠れると言う状況を防ぐ目的もあった。去年行かなかったわき道に入ってみると、空に向かって一直線に伸びる道があった。普通、山道って言えば、クネクネしてるものであり、こんなのは初めてお目にかかった。また、ちょうどその道の行き着く所にこの夏最後の入道雲が見えたのである。

そんな感じで、『素顔のままで』の27弾であったが、いつもの事ながらまなちゃんは何も言わずに自分なりにしっかり準備してくれていた。今回は時間的にかなり余裕があったので、ゆっくり美味いものを食べながら色々と話す時間も持てたし、今後もいい関係でありたいと思えた27弾であった。


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