私のスタイル
『素顔のままで』の第27弾の公開を済ませたが、今回は今までと違って、自転車に乗っているまなちゃんのお尻から下だけを撮ったものもあったし、ポートレートでは使う機会がほとんど無いシャッター速度優先モードを使って、ガンガンぶらしてみたりもした。
また、ヘンな拘りであるが、普段「単レンズを使え」と言っていたりするので、今回一番使いやすそうなEF28−135mmF3.5−F5.6
IS USMは使わず、車内で3本の単レンズを交換しながらの撮影である。50、85、135の3本を使ったが、最も絞り込んだ状態で出来るだけシャッター速度を遅らせて撮ったので、大口径である必要もないし、IS機能もあった方が便利だったかも知れないが、単レンズが使える状況であればズームの必要はないって持論をここでも実行してみた。まぁ、単なる頑固者って意見もあるが。
また、ストロボを使ってまなちゃんの動きを止める事や、高速シャッターを使う方法なども考えてみたが、クルマで並走して車窓から撮ると決める前に今回のようなイメージが出来上がっていたのである。本当なら、自転車2台で一緒にツーリングしているイメージで撮れればいいが、現実的ではないので、それに近い状況を作れる方法を考えたのである。
ドライバーを頼むにあたって、大阪からその為に人を連れて行くわけにもいかず、最初はまなちゃんの弟に頼もうかと思ったが、「恥ずかしいよー」とのことだったので、私とも面識のある看護学校の友達に頼んでくれたのである。
こう言う撮影は撮影会では不可能に近い設定であるが、表面的には今までは撮影会でも可能な撮影スタイルであったから、本当に新しい試みとも言えるだろう。ただ、繰り返すがあくまで表面的であり、特に最近のまなちゃんのリラックスした表情は、今まで二人で一緒にやって来た歴史の現われだと思っている。
また、私のカメラの前でしかモデルをしないと言ってくれているまなちゃんであるし、私もまなちゃんとの撮影に限っては、他のモデルとの撮影とは違ったアプローチとなっている。広島に舞台を移した頃から、本当の意味で“素顔のままで”が撮れだしたように思えるのである。
最近のまなちゃんの写真を見て、過去のまなちゃんを知るある人物は、「緩んでるなー」と表現していたが、やっぱりこの人は解ってないんだと改めて感じたものである。力の入った表情を作ることなどまなちゃんにしてみれば朝飯前のことであり、それの良さを通り超えた部分のまなちゃんの表情を見抜く目は持っていない。まぁ、じっくりと女の子を撮った事の無い人であるし、私もカメラマンだとは思ってない人であるが、感受性の部分で今後も解り合える相手では無さそうである。
横浜でACCESSを主宰する磯村氏とは今でも色々と情報交換を行っているが、YUKAちゃんなどは、私の場合のまなちゃんのような存在に近いが、カメラマンとしてレンズを通した魅力を知り尽くした上でのプライベートな付き合いであり、そう言った部分で解り合え、話題が尽きない。
言っておくが、“画伯様”こと磯村氏は撮影会の主催者ではなく、その前にカメラマンであると理解していただきたい。
話題は変わって、私がいいモデルだと感じる相手は、“自分を好きでいてくれている”と思っている。綺麗で可愛いのだから当たり前じゃないかと言われそうだが、そんな単純なもんじゃない。
もっと踏み込めば、撮影中にカメラの前の自分が好きでいてくれる心のゆとりがあれば、カメラマンにだって優しくなれるはずだし、それはカメラマンだって同じ事で、きっと気持ちのいい空気が流れているに違いない。
だから、個人撮影する場合は、半ば強引に口説いたとしても、無理やり撮影に持ち込もうとはしない。色々話しをして、自分を素直に好きになれる時期まで焦らず待ってあげたいと思っている。何かトラブルを抱えていて、悩んでいたりする女の子も多いし、そんな今の自分は多分好きじゃないだろう。晴れやかな気分になれる時がいつか来るはずなのだ。まぁ、私との撮影がその近道になれれば言う事は無いのだろうが、そこまで偉そうになるつもりも無い。
最後に、ニューヨークえらい事になっちまってるが、神戸で地震をまともに食らった時の事を思い出していまったが、完全に人災だけに複雑な思いである。また、不幸中の幸いとでも言うべきか、まなちゃんがニューヨークに居た時でなかったことがせめてもの救いだ。