『素顔のままで』第28弾!
前回が8月末でまなちゃんの夏休み中であったが、今回はちょっと間が空いて11月に入って肌寒さを感じるようになっていた。11/3は徹夜明けでそのまま大阪を出発。ヘタに仮眠などしてしまうとそのままいつまで寝てしまうか怪しいからだが、夜明けとともに雨が降り出してきやがった。
ちょうどサラリーマンの出勤時間と重なって中国道はいつものように宝塚辺りでべったり渋滞。その後すぐに事故渋滞の表示が見えてきて、またノロノロ運転が一時間ほど続く。雨が降るとこのパターンが多いが、自分のクルマの限界を知らないやつが多すぎる。この調子では午前中に三次に着くのは難しいと思いながら、i−modeで広島北部の天気予報をチェック。曇りか・・・。
同時に今回は雨脚が強くなってくる以外に、スピードを上げられない状況があったのである。
それは、クルマのステアリング操作がまともに出来ない状態であったのだ。それは、クロスメンバーの一部が折れており、ステアリングギアボックスが固定されずグラグラだったのである。(ちなみに修理は完了したが、エンジンを吊り上げながらの大作業となった)
この結果、ハンドルの遊びが非常に大きくなると同時に、直進性が悪くなったり正確なコーナーリングが出来なくなり、ハンドルレスポンスががた落ちになるのである。この状態で、高速コーナーの連続する大雨の中国道を300km近く走るのはかなりのスリルを伴い、眠気も吹っ飛びいい感じ!ですべてのクルマをごぼう抜きにしながらいつもの調子で走りつづけた。広島に入ってもさっぱり天気が回復する兆しもなく、結局雨の中昼過ぎに三次に到着。
明日もあるさ。そして『素顔のままで』は晴れるようになってるから大丈夫!って感じで、翌日の衣装を決めたりした後、早めの夕食ってことで近くのスーパーにカニすきの食材を買いに行く事にした。
前置きはこの辺にして・・・ 予定通り11/4は朝からいい天気である。後で聞いた話しでは、大阪は天気が悪かったらしいから、まだツキは続いていたということだ。
しかし、前日の大雨で足元が悪いことが考えられたので、ロケ地は行ったことが無い場所は避けることにした。
先ずは、前回も行った三次の北部にある大銀杏の木であるが、朝の光がちょうど山の陰となっていたので、別の場所で1本撮って高野町へ向かうが、走り慣れた道も季節が変われば雰囲気がまったく違うのである。
しかし、晴れていた空にいつの間にか分厚い雲が・・・しかし、きっと晴れると疑わない自分がある意味怖い。曇りなら曇りらしく・・・それが出来るのがまなちゃんであるから、これにマッチしたロケーションを探せばいいだけだ。てな感じでクルマで移動しながら撮り進んで行く。
途中、しっとりとした落ち葉が広がる場所を発見、まなちゃんとその膝の上のジュンをクルマに残し、私はイメージを描くいつもの作業だ。落ち葉を触ってみると、雨上がりであるが濡れているほどではない。しかし栗が転がっていたりするが、なんとか寝転がることは出来そうだ・・・久し振りにゴロンと寝てみることにした。こういうポーズはまなちゃんの得意とするところだが、時々やるからイイのだ。
天気が回復しかかったところでお昼時。まなちゃんとはお腹のすき具合のタイミングが良く合うって言うかまなちゃんが合わせてくれているのか・・・ なにはともあれ、まなちゃんはいつでも美味しそうに食べてくれて気持ちがイイのだ。しかし、この食べ物の相性って結構重要なポイントだと思っている。ひとつ大きな違いがあるとすれば、まなちゃんは猫舌で熱いものが食べられないから、ふぅふぅする時間が必要だってことか。
まなちゃんの幼なじみが働いていたレストランでお昼と着替えを済ませ、向かったのは高野町の天然記念物である樹齢千余年の「乳下がりの銀杏」だ。とにかくデカイ、太い、高いだが、乳下がりと言うだけあって、枝が自らの重みで垂れ下がりそれをつっかえ棒で支えてもらわなくてはいけないような状態。年寄りの木だが、元気一杯で並みの銀杏が真黄色に染まっていても、こいつはまだ緑がかなり残っている。あと10日もすれば見頃だと思うが、その後葉が落ちたらかなりの落ち葉の山が出来そうだ。ここでは、この時期としてはアンマッチかもしれないが、寒色系の水色のレザーのスカートをはいてもらっていて、これは完全に私の趣味である。ブルー系が好きなのと、まなちゃんに似合うカラーだと私は勝手に思い込んでいるのである。
ここでの撮影が終わった段階で、消費フィルムはたったの7本。最終的に10本であるから、1日べったりの撮影にしてはかなり少ないが、まなちゃんとの撮影では、数打ちゃ当たるは必要ないのだ。また、この辺で私自身の変化に気付いたのである。それは視力がこれまでより格段に良くなっていることだ。サラリーマンを辞めて、こんな所にその恩恵が現れるとは思っても無かったが、今回の撮影の半数をMFレンズで撮ったが、ピントの的中率がかなり上がっていたのである。実際ファインダー上でもそれが分かった。確かに今まで運転中などにかけていた眼鏡が合わなくなっている感じはしていたが、もう裸眼ですべて対応出来てしまうのだから、サングラス選びも度付きレンズなどを考える必要が無くなっているのである。
チョイと脱線してしまったが、最後はジーンズとノースリーブのニットに着替えて、高野から三次方面に向かう。4時に近づくとこの時期は山間部だと太陽が隠れてしまうので、それを気にしながら撮影場所を探してクルマを流す。これはいつものことだが、写真を撮っていると風景も見るのも楽しいものだ。狙いは西日を浴びて輝くススキだが、なかなかいい場所が見つからない。まなちゃんは買ったばかりのブーツだから靴を傷めないように足場が悪い所には行けないのだが、いい場所が見つかったので、ここでは逆光でのオーソドックスなポートレートである。かなり日が傾いて来たのでハレ切りをしながらの撮影である。道行くクルマはギラギラ光るレフに気付いて物珍しそうに眺めているが、この地での撮影もあと1、2回かと思うといささか淋しくもあった。