モデルに喜ばれるヌードを撮りたい
順序が逆になってしまったが12/3の月曜日に予定していたヌード撮影を行ってきた。過去に何度もヌードは撮っているが、まったくモデル経験の無い女の子をいきなりヌード撮影するのは初めてかもしれない。
元々はモデルと同じ大学の女友達が撮ることで盛り上がっていたのを私が撮ることになって、カメラマンが男になっても大丈夫?って最初に私が感じた心配も、モデルと直接話をして解決していたので、後は本人が納得してくれるような写真を残せてあげれるかにかかっていた。そう・・・「モデルのために残してあげる」という感覚で撮りたいと思っている。自分の作品創りの意欲よりもこれを優先してあげたいのである。それが結果としていい撮影にも繋がるのだ。
先に結果を言わせてもらえば、予想を遥かに上回ったのではないかと私は思っている。それは私がイイ撮影をしたからエライと言っているのではなく、モデルが想像以上に凄かったからである。
撮影当日までモデル本人に会ったことはなく、2回ほど電話で話しただけであった。それまでにスナップを見せてもらっており、それを一目見た瞬間にこの子なら上手くいきそうだと直感したので撮影を受けたのである。私だって誰でもOKってことはないのだ。
どこにでもいる、カメラ見てVサインしか出来ない女の子とは違った何かを感じたのである。
事前の打ち合わせとしては、前がボタンで開くシャツとジーンズを持ってきて欲しいというのと、撮影当日は朝からノーブラでいて欲しいという2点だけ。服に関してはそれ以外は適当に気に入った物を持ってきてくれればいいし、メイクも任せるけど髪は下ろしておいて欲しいってぐらい。下着については、色白で肌が敏感そうなのでブラの跡がつくのがイヤだったからで、ブラは撮影時だけに付けてもらいたかったのである。
撮影のコンセプトとしては、とにかく撮影会的にだけはしてはいけないわけだ、客観的にモデルの姿にカメラを向けるのではなく、一緒に同じ流れの中に身を置いた撮影が出来れば自ずと結果は出せると思っていた。それはモデルが百戦錬磨のプロだろうが、素人だろうが同じであると思っている。
しかし、そんな撮り方はプロモデルであれば完成した自分のモデルとしての技量を見せようとする気持ちが勝ちすぎると逆にそれが邪魔になることもある。そこが普通の女の子であれば、単純にテレや裸でいることへの恥ずかしさなどでパニックになって固まってしまうことも充分に考えられる。しかし、そう言う部分をほぐすことにはある程度自信があるし、私が上手くリードすれば素直について来てくれると思っている。ほぐすって言っても冗談を言うわけでもなければ、お世辞でおだて上げることもしない。しかし、褒める時は心から褒めてあげたい。
実際の撮影であるが、場所は同じ大学の友達の部屋である。そこは西にベランダがあってこの季節は2時頃から日没まで西日が差し込み、そのベランダの窓際にベッドがあるので、そこをメインに進めていくことになる。
昼過ぎに到着した私は機材の準備を開始したが、ロールレフを組み立てて、曇った時用にライトスタンドもスタンバイしたが、それは部屋の片隅に追いやった。モデルの女の子がそれを見て気後れしてしまうのを恐れたからである。
そうこうしていると、モデルが大きな紙袋にいっぱい服や下着を詰め込んでやって来た。事前に見せてもらっていた写真より普通っぽい可愛い女の子である。
お茶を飲みながら雑談するが、少し緊張しているのが伝わってくる。こう言うときは撮影前にいくら説明しても同じである事は過去の経験で分かっているし、実際に撮影に入ればいつも緊張をほぐせてきた自信があったので、口紅だけを塗り直してそのままの服装で撮影を始める事にした。
まずは床のカーペットをはがして、ベッドサイドでフローリングの床に座ってもらって撮影を開始した。撮影スタートは13:40だが、空は薄曇り状態で柔らかい光が少し差し込んでいる状態である。ISO100のリバーサルなので光量的にはかなり辛いが、レフを間近に置いて撮りだした。大きなロールレフの大接近に少しひるんだものの、初撮影とは思えないほど直ぐにカメラに対して馴れてくれ、私の指示にセンス良く反応してくれたのには驚かされた。この調子なら心配ないと、その後はベッドに移動してヌード撮影となったが、撮影が進むにつれてセンスと度胸のよさに感心させられ、日が暮れてからも、照明を使って結局7時頃まで撮影は進んだのである。
最初はブルーライトをレフでバウンスさせて撮り、その後完全に日が暮れてからはタングステン球を白い壁でバウンスさせ、壁には大きな鏡を置いて光にアクセントを付けてアンバー調とし、TVの画面を砂嵐にして深夜のイメージにしてフローリングの床に寝転がっての撮影である。カンが良いのか私のアプローチに対する反応も絶妙であった。一緒にいた友達も横から撮影しながら、いつも遊んでいる時に見る表情から大きく変化する様に驚いていた。
撮影後、直ぐに140カットをスキャンして、何度かに分けてメールで送ってあげている。最終的なポジはまだ見せに行っていないが、本人はかなり気に入ってくれたようだ。「自分じゃないみたい・・・」とは言っていたが、友達を集めて画像を見てても他の人のヌードを見てるみたいで恥ずかしくなかったそうな。とにかくプライベートでの撮影は本人が喜んでくれるのが一番である。その結果、写真の二次使用もOKしてくれているが、私としてはこの1カットだけを公開するに止めたいのである。