新プリンター導入


一年前に不調に陥り、まなちゃんの年賀状はなんとかクリアーしたものの。私の分を印刷するのにかなり苦労させられたEPSONのPM−770Cだが、新品交換1回の後、修理3回でもう修理する気にもならず放ったらかしになっていた。
しかし、今年も押し迫ってきて年賀状の季節となって、毎年恒例となっているまなちゃんの年賀状を作ってあげなければならないってこともあり、新しくプリンターを買うことにしたのである。こんなことを書いてしまうと、まなちゃんがヘンな気を使ってしまうが、私にとってもこれは年末の楽しみのひとつであるから、単なるきっかけに過ぎない。

購入にあたって、まず迷ったのがEPSONかCanonかってことだ。これまで、迷わずEPSONを使い続けてきたが、今回だけはEPSON製品に対する信頼度の関係で、Canonを視野に入れて検討することにした。
画質だけを取ればEPSONに軍配が上がるという意見もチラホラ聞くが、スピードでは圧倒的にCanonの勝利である。
元々「速い事はイイことだ」主義であり、スピード大好きなだけにCanonが気になって仕方が無い状態であった。A4最高画質での印刷がかったるかったPM−770Cでは印刷する気分にならなかった過去があるので、速い事は何とも捨てがたいし、今後に大きく影響するわけだ。
しかし、画質が悪ければ元も子もなく、本末転倒になってしまう。

とは言っても、Canonも上位機種は6色インクを使いEPSONの最高機種の7色には及ばないものの、PM−770C以上の画質は期待できるのでCanonに絞って機種の選択に入った。
今まで、Canon製に見向きもしなかったのには理由があって、フィルムスキャナーのCanoScan2700Fでえらい目に遭っていたからである。結局このスキャナーでは一枚の作品も残せておらず、テストスキャンだけに明け暮れた挙句ポイした経緯があったのだ。色々と問題の多かったスキャナーであったが、その問題のひとつとして素人向け?とも思わせるド派手は発色があった。ベルビアの派手さとは違って、余りにも下品で余計な誇張が好きになれなかったのである。しかし、この問題もいつの間にか解決されているように思えたので、候補として急浮上したわけだ。元来がCanon派なのだから自然な流れである。

最高機種大好きな私としては、これまでEPSONの最高機種を迷わず選んできたが、今回は多少慎重になっていて、F900からワンランク落としたF890に決めたのである。その選択は、画質的に同等であることが前提で、スピードが多少落ちるがEPSONよりは間違いなく速いってことで決めたのである。

さて、いざ購入と近くにOPENしたヨドバシ梅田店に行く。ここで迷うと収集がつかないのでCanonのF890の前に直行。そこで目にしたのがプリントサンプルとして重ねてあったサービスサイズより少し小さい印刷結果である。これを見た瞬間「なんじゃ、こりゃー」であった。5年前のプリンターで印刷したのかと思えるほどのボロボロの結果だったのだ。こうなると、自然と足は隣のF900の所へ・・・。そこにも同じ画像データを印刷したと思えるサンプルがあり、その画質はF890とまったく同じである。その画像をよくよく見れば、「千年の恋 ひかる源氏物語」の天海祐希の写真なのだが、余りにも原画のレベルが低すぎる。解像度は低いは、ピントは来てないは、コントラストは低いはの三重苦であり、その劣悪さをF890は忠実に再現していただけだったのである。

それで、隣にいた素人っぽい販売員に質問である。「やっぱり、写真の画質はEPSONが上?」返って来た答えは、カタログの受け売りでEPSONがかなり上だと言う。「だったら、PM−770CとF890はどっちがイイ?」それに対しては同じぐらいだと答えてきた。コイツEPSONの回し者か?と思いつつ、置いてあったCanonの販促用のA4印刷サンプルを見ると、明らかにPM−770Cよりイケてる。ここまで出りゃ上出来と判断し、土壇場で悩むのはやめてあっさりF890の購入意志を伝えたのである。それにしても、あの天海祐希はイケてないし、あれじゃCanon売れないよヨドバシさん。

では、短期間であるが年賀状を印刷してみた結果を少し。LS−2000の最高解像度でスキャンし文字入れをした17MBの画像データを純正のプロフェッショナル・フォトペーパーに全面印刷したところ印刷時間は1分ジャスト。これには多少期待はずれであったが、去年のEPSONではもっとかかっていたから、よしとしよう。
と、あっさり引き下がれたのは画質が期待以上にイイ出来だったからなのだ。これならダイレクトプリントなんか必要ないってレベルである。
先ずは粒子だが、肉眼ではドットは先ず確認出来ない。シャドウ部分でわずかに確認出来るがアラを探そうとしなければ気がつかないレベルである。また、PM−770Cではシャドウ部分の濁りが酷かったが、それも気にならない。そして肝心の色合いも最初の一発目でほぼ満足出来る状態であった。それではと、VIVIDとか言う機能をONにしてみる。これに関しては無意味な派手さになるだろうと思っていたが、肌の色調はそのままでバックが若干鮮やかになりイイ感じである。調子に乗って、オートフォトパーフェクトってやつもON。これはどうせギミックだろうと思っていたが、さらにポジ原版に近づいた感じでますますグッド。
解像度も満足いく結果で、まつげもハッキリ再現されているしシャープ度も充分にあって、このF890は正解であったと思うのである。
こうなりゃ、まなちゃん用の年賀状をヨドバシのサンプルとして積んどけば、売上倍増は間違いないなんて思ってしまう。

ついでに、ペーパーの指定を光沢紙に変更して、引出しの中にあったKONICAのQPペーパーに印刷してみたところ、印刷速度はさらにアップした。そして出てきた結果はハイコントラストになり、まるでダイレクトプリントの結果のような上がりである。これはいい発見であり、印画紙で結果が変わるようにペーパーで使い分けができそうである。もちろん純正のプロフォトペーパーでは画像データを忠実に再現してくれている。
これで、高価なダイレクトプリントをせずとも今後はこのF890での印刷が充分に作品としてのアウトプットとして使えそうである。
今後このF890を長期的に使ってみて、耐久性で満足できる結果であれば、次回はCanonの最高機種を選ぶ事になるだろう。しかし、今後どこをどう改良するんだろう・・・?

【追加】 KONICAのQP光沢紙を、敢えてCanon純正紙用の設定であるプロフォトペーパーと用紙設定して印刷してみたら、ナント!色合いがドンピシャとなってしまった。



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