若かったあの頃


台風が来ていたようだが、私の住む地域は雨も風もぜんぜん大したことが無く、拍子抜けしてしまうほどであった。しかし、降るエリアは決まっているようで、今年はあちこちで記録的な豪雨になっていて、この先どうなっていくのか心配である。総裁候補が気楽にTVで喋ってる姿を見ると、余計に心配になってくる。
台風一過であった土曜日は、爽やかな朝になるかと思ってもジリジリと暑いのはどういうことだろう?そしてまた、今日は朝から雨で、雷が鳴り響いている。

最近買ったワゴン車だが、185cmの私がすっぽり収まる長さの荷室を持っているのは嬉しいことである。後部座席を倒してフラットにすると寝れるのだから、用途がますます広がるってわけだ。背の高いミニバンの類は嫌いな私だから、重心が低くて広々しているクルマは初めてであるが、なかなか性能がついて来ない場合が多いので、今まで乗ってこなかったが、探せばあるもんだ。
これからの季節、サンルーフを全開にして紅葉の木の下で昼寝なんていいかもしれない。ルーフが重くなる=重心が高くなるってことで、サンルーフは避けてきたが、やっぱりいいわこれ。

世間はニコンもキヤノンも、そしてソニーもと新製品ラッシュで、デジオタどもが右往左往しているみたいだが、私はそんな新製品のことなんかどうでもいいから、カメラ雑誌も最近は一冊も買っていない。また浦島太郎と化してしまいそうだが、写真が下手になるわけではないから気にもしていない。次のを買う時に研究すればいいだけで、そのつもりが無いものには興味ゼロってわけ。

小学生の頃から一眼レフを触っていた私だが、4年生の頃からクルマに興味を持ちはじめ、よく道路沿いの道で流し撮りをして遊んでいたものだ。夜に歩道橋の上に三脚を立ててレリーズで長時間露光し、ヘッドライトの軌跡を撮ったりもしていた。もちろんモノクロフィルムのマニュアル露出であるが、そこそこ撮れていた。
そんな感じでモーターショーにも出かけて行き、人混みの中でクルマ全体を撮ろうと頑張っていたら、優しいお兄さんが広角レンズを貸してくれたことがある。同じペンタックスを使う少年が苦労しているのを見かねたのだろうが、初めての広角レンズの世界に驚いたものである。

しかし、高校に入り、バイクや女の子に気を取られているうちにすっかりカメラのことを忘れていた時期もあった。記念撮影のために一眼レフを置いて、コンパクトカメラをメインにしていたものである。
一番なんでも吸収する時期にカメラをほとんど手にしなかった私は、自分のクルマを買ってしまってからは、ますますカメラ離れが進んでしまったのである。

そんな日々が10年ほど経過し、すこしマンネリになった頃。何かのきっかけでルアー・フィッシングの面白さに取り付かれてしまい、車高を思いっきり下げたベンツに乗って週末は川に湖に、そして海へと一年中出かける日々が続いた。

もちろん、その頃も出始めのAF一眼レフを持ってはいたが、ほとんど使うことも無かった。そんなある日、新聞広告でEOS5なるものが発売されることを知ったのである。当時はPENTAXのSFXを持っていたのだが、EOS5の発売日に購入してしまっていた。視線入力とやらが、なにか新しいおもちゃを探していた私のツボを激しく突いたのである。今になって思えばぜんぜん大した機能ではなかったが、技術はついにここまで来たか!って思ってしまったのである。

そして、そのEOS5とシグマの70−210F2.8を引っさげて、撮影会に意気揚々と出かけて行き、いきなり上手く撮れてしまったものだが、そこから一気にプロとして仕事が来るまでなるのにそれほど時間はかからなかった。
もちろん、短期間の間に使用機材はめまぐるしく進歩と増加を繰り返したのである。常にいかにしていい写真を撮るかを考えて過ごしていた時期であるが、そのために必要な機材を買いあさり、造ったものである。
そんな私の姿は、その昔スカイラインのRS−TURBOを買った時にもあった。いかにカッコよく速いクルマに仕上げるかだけを考えていた私であったのだ。

今は、D300で充分満足しているし、クルマだってパワーを目一杯絞り出すより、長持ちして欲しいと思ってしまう。しかし、写真を撮る時は手は抜かないし、運転もタイトなコーナーが続くとつい嬉しくなって、ハンドルを握る手に思わず力が入ってしまうのである。
根っこの部分は何ら変っていないが、余計な力みが消えて自然体で心底愉しめるようになってきたようである。


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