男の道具が危機だ


台風が過ぎ去ったが、結果的に私の住む近畿では大きな被害も無く、拍子抜けするぐらいであった。しかし、東海より東にはかなりの猛威をふるったようである。竜巻も一緒にやってきたが、これだけは予想が出来ないだけに命からがら逃げるのがやっとであろう。
しかし、突風がトラックをいとも簡単に横倒しにするのだから、想像を絶するものなのだろう。私が撮影中にレフを重いGITZOの三脚ごと吹っ飛ばされるのとは桁が違うわけである。

前回も書いたが、この台風と竜巻は科学の力でどうにか出来ないものなのだろうか?自然に逆らうことは良くないのかもしれないが、その言い訳は都合が良すぎる。
現実に人間はどれだけ自然破壊をしてきているかを考えれば、軍事兵器や宇宙開発の手を止めてでも、やって欲しいものである。
漁師は漁を見合わせればいいが、農家は長期間に渡って育ててきた作物がダメージを受けるのだから、たまったものではない。

最近は台風の上陸は少なくなったが、ゲリラ豪雨とか一発の破壊力がすさまじいのは、どういうことだろう。
やっぱり地球温暖化ってやつなのだろうか。そのために鳩山政権は25%の軽減を宣言したが、隣の大国中国が都合がいいときだけ途上国を名乗ってやりたい放題であるから、焼け石に水だろう。
中国といえば、北京オリンピックの開会式の時に、雨を降らさないために何かを打ち上げたって噂は本当なのだろうか。
オリンピックといえば、シカゴとならんで東京は予想通り惨敗であったが、それに懲りずにサッカーのワールドカップの誘致計画が持ち上がっているという。もう、いい加減にして欲しいものである。

大阪にいる頃に、どん底の生活をしている人を多く見てきた私である。景気がよかった時期だったのに、かなり悲惨な光景を目にした。ワンルームマンションのドアに家賃や借金の取り立ての紙を貼られているようなのは日常茶飯事だったし、車椅子の老夫婦がボロボロのアパートに引っ越してくる様子など、この不景気真っ只中の時期では、さらに悲惨なことになっていることだろう。
私がマンションから路上に出た瞬間に、サンダルを手に裸足で泣きながら歩いてくる女子大生に、ひったくりに遭ったので、捕まえて欲しいと懇願されたこともあった。大昔だが、梅田でカミソリ魔をボコボコにした私であるから、そりゃ、目の前で見つけたらとっ捕まえてやったのだが、どうしてやることも出来なかった。

高価なデジ一や大口径レンズを所有している、ある程度収入のある人がここを見ているのだろうが、ネット回線どころか、ライフラインさえ危うい人が山のようにいるのである。
中には、急に不況のあおりを受けて、レンズを売ってしまおうと考えている人もいるかもしれない。その行為を私は止める気はない。いつか余裕が出来たら中古でいいのでコツコツと揃え直せばいいのだから。
とにかく、この時期を耐えて乗り越えて欲しいものである。写真が撮れなくてもいいじゃないか。古本屋で100円の文庫本を買ってきて読むことも、きっといい将来の肥やしになる。小説の内容を右脳でイメージに膨らませるのも楽しいものである。

また、クルマのローンが払えなくなってしまった人も多いはずである。ボーナス払いなんかで無理して高級車を買ってしまうと悲惨なのではないだろうか。男にとって、クルマやカメラは愛着を感じる道具であるが、それを思い切って手放す勇気が必要な時もあるわけだ。

一桁万円で買える古い軽やコンパクトカーで、この不況の嵐を乗り越えるのも悪くない選択ではないだろうか。
特に、今はプリウスやインサイトを買う人が手放した中古車が市場に出回っていることが考えられるから、気持ちを切り替えて探してみるべきである。きっといいモノが見つかるはずである。
13年以上乗ったクルマを廃車にすると、補助金がもらえるなんてのがあるらしいが、まだまだ乗れるクルマがあるはずなのに、もったいない気もする。
私なんか、大阪ではもっぱら自転車移動を徹底していた。幸いママチャリではなく、キャノンデールという高級MTBであったが、どれだけ重宝したことか。そのキャノンデールも10年以上の年代物となり、最近になって運動不足解消のために、オーバーホールを手がけたところである。元々のフレームが頑丈であるため、消耗パーツの交換でまたまだまだ元気に走ってくれそうだ。

幸いにしてデジ一を所有し続けられた人は、安いランニングコストが有意義に使える時期である。クルマも暫定税率の廃止の方向らしいから、ガソリンが安くなるはずである。とは言いながら、夏以降徐々にガソリンが値上がりしているように思うのである。去年、ガソリンを買い占めてオイシイ思いをした連中が、その味を忘れられずにまた動きだしたのではないだろうか。経済の素人の意見だが、石油製品や食料品に関しては、投資の対象にしてはならないと地球規模で決めて欲しいものである。

高速道路の無料化もマニフェストのひとつだが、全体の人口の何割が高速道路を頻繁に使うのかを考えれば、賛成できない。それなら暫定税率を廃止する方が多くの人が恩恵を受けられる。クルマに乗らない世代も石油ストーブが安く使えるのだから。
ある国土交通副大臣が、高速無料化で輸送費が安くなって商品の価格が下がるなんて、頭が悪いとしか思えない単純な話をしていた。無料化で渋滞が発生し、輸送時間が非常にかかってしまうのである。そうなると新鮮さが命の輸送業者は悲鳴をあげるだろうし、ドライバーの運転時間が長くなることは、人件費が増えるということである。トラックの回転率が下がることで、いろんなところにコストが乗っかってくるのは目に見えているではないか。

民主党は国民を馬鹿にしているというか、浅知恵だと思っているのは確かで、表面的にオイシイことをマニフェストに書いておけば、選挙に勝てると思ったのであろう。しかし、世の中民主党が気に入って投票した人なんて僅かな数で、自民党に辟易したからにすぎないのである。
だから、マニフェストに書いてあることを、すべて実現して欲しいと思っている国民なんていないのだから、体裁をために強行するのは止めて欲しいものである。


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