気持ちのいい季節だ


10月の上旬に、姫路城に行ってきた。子供の頃に学校から行ったきりだったように記憶している。なんでも今月から大改修工事がはじまるそうな。
それで、当分はゴタゴタするだろうから、今のうちに行ってみたいとせがまれたわけである。
その影響か、みんな考えることは同じのようで、かなりの人出であった。天守閣に登るのには30分ほど行列を並ばなければならなかったが、天守閣に登って下を見ると、その行列が倍に伸びていたから、その日一日でかなりの人数があの狭く急な階段を登ったことになる。
さすがに、世界文化遺産ということもあり、外国人の姿も多く見られたが、私が興味をそそられたのは、デジカメを持って、一人で来ている若い女性をチラホラ見かけたことが意外であった。最近が大河ドラマの人気で、こういう場所の人気が高いのかもしれない。

また、行列を並んでいると、ツアーで来たと思われるオバサンの内輪もめが背後から聞こえてきた。どうも、バスの発車まで、そんなに時間が無いのに、並ばないと天守閣に登れないことが原因のようである。一人は、みんなに迷惑をかけるわけには行かないから、諦めて戻ろうと言っているが、もう一人は、このために来たのにそれは出来ないと言い張っている。遅れたら、バスは待ってくれるはずだから大丈夫だと言い放ったのには驚いたが、やがて常識的なオバサンはそのずうずうしいオバサンを残して去って行った。一人残されたオバサンは15分ほど不機嫌な顔で並んでいたが、心細くなったのか恨めしそうにしながら、集合場所の方に戻って行った。
どちらの気持ちも分かるわけで、せっかく姫路城に来たら大阪城のように城の姿をしたビルと違って、当時の状態を多く残した木造の階段を登って天守閣まで登ってみたいと思うのが普通であるから、思わず同情してしまったわけである。

姫路城といえば、白鷺城とも言われるくらいだから、姿が美しいことで有名である。絵葉書でも定番のショットがあるぐらいで、それを撮ろうと思っても、ほとんど情報を持たない私としては陳腐な写真しか撮れないと感じた。
それで、全景を撮るのを諦めて、筋雲がキレイな青空を脇役にして一部を切り取ることにした。

春もいいが、空のキレイな秋はもっと好きだ。これから身を刺すような寒風が吹く季節になるのだろうが、その前のホッとさせてくれるこの時期は実に気持ちがいい。そして、もうすぐ紅葉の季節がやってくるが、これがまたいいのである。
クルマのエンジンも吸気温度が下がって快調になってきた。真夏はどこか調子が悪いのではないかと思う時もあったが、最近は車体が軽くなったようである。ボンネットに穴をあけた効果もあって、高速でハイペースで走っても90℃を超えることはなくなった。

ステーションワゴンに乗り出して1年少し経つが、先日信号待ちで前方にダッジ・マグナムが停車していた。300Cツーリングと兄弟車であるが、マグナム方がスパルタンで私の好みである。300C系はアメリカ版ベントレーのようで、私的にはちょっと派手って感じだ。しかし、正規に輸入されているのは300Cの方だと思うが、フロント回りがギラギラし過ぎだ。
全長5mで幅が1.9mほどだろうか、レクサスサイズであるが、高級車という感じではなくてワルっぽい。少し大きすぎる気もするが、なかなか好みなのでる。

本当は、マスタングの似たコンセプトのダッジ・チャレンジャーがいいのだが、一度ステーションワゴンに乗ってしまうと、なかなか戻れなくなってしまう。私のように多趣味の人間には狭いクルマは無理があるのがよく分かった1年であった。
MTBの積み下ろしで、バンパーにかなり傷をつけてしまっているが、それも仕方の無いことである。ただ、走りの強化と両立させるのが難しい。今は、荷室の丁度真ん中に金属の棒が横たわっており、このリア・タワーバーがあるだけで、かなり便利さがスポイルされてしまう。でも、付けた時のしっかり感の飛躍的な向上は手放すわけにはいかない。
おそらく、図体のデカイ、アメ車のマグナムだと20インチ以上のホイールとかが似合いそうだが、ヘビー級で走りは期待できないだろう。
大流行のミニバンだけには絶対に乗らないと心に決めている私で、万が一便利さに目が行ってしまったらどうしようと思ってしまうのである。ワインディングをある程度は楽しめることがクルマ選びの絶対条件なのだから。

最初のRX−7からすれば、これでもかなり譲歩しているつもりなのである。とは言いながら、初代のRX−7より、今のVR−4の方が、確実にコーナーは安定していて案外速いかもしれない。
当時のRX−7は軽いだけで、ABSもない危なっかしいクルマであった。今考えれば、よくもまぁあんなので無茶な運転をして無事だったものである。テールが流れる感覚をはじめ、いろんなクルマの挙動を教えてくれたRX−7であった。


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