禁煙成功?多分大丈夫だろう
禁煙したいと思う気持ちは、この20年ぐらい常にあったように思う。そして、その真似事のようなことは何度かチャレンジしたが、いとも簡単に挫折してきた。
誰もが最初に実行するのは、ニコチン/タールの量が少ない軽いタバコに変えること。そうすると、逆に本数が増えたなんてことを良く聞く。それとは違う方法で一番多いのが、一日に吸う本数を減らすことではないだろうか。
私も何度か実行したことがあるが、それが禁煙に繋がるような雰囲気を感じたことは一回もなかった。
今回知ったのだが、本数を減らす減煙は、余計にタバコへの依存を高めてしまうらしい。改めて考えると、なるほどと納得してしまう。
「あと3時間で吸えるぞ」とか余計にタバコのことが気になって仕方なくなってしまうのは経験している。それと、最近は都心では路上はもちろん、吸える場所がほとんどなくなってきていて、余計にイライラしていたのである。
ということは、減煙などという中途半端なことをせずに、一気にゼロにするしかないのである。それが禁煙成功の近道であり、最高の方法なのである。
私は毎日2箱吸っていたが、完全に止めて今日で12日目になるがニコチンの禁断症状らしい苦しみを感じていないから不思議なことである。ニコチンが欲しいというより、タバコをふかしていた行為自体が恋しくなるのである。その習慣との戦いであるとも言える。
タバコ1本吸うのに費やす時間がだいたい3分ぐらいで、40本だと120分だから毎日2時間もの時間をタバコを燻らせてすごしてきたのだから、その喪失感がなんともたまらないわけだ。
しかし、肉体的にニコチンを求めているのではないから、その手持ち無沙汰感を何かで埋めるしかないが、そう簡単なことではない。
今までは一人でクルマを運転している時は吸いまくっていた私である。禁煙してからは長時間の信号待ちや単調で退屈な運転が続くと、つい何かが足らない気持ちに包まれてしまうが、そういう時に今まではタバコに火をつけていたわけだ。しかし、そこで耐えるのではなく発想の転換でクリアできてしまうものである。
猛暑の今年では、エアコンを内気循環で窓を閉め切っていられるのでよく冷えるし、窓を開けて走ることでタバコの灰が車内に飛び散っていたのも無くなって快適なわけだ。これからは窓やメータパネルやナビの画面がヤニで汚れることもなくなるだろう。いいこと尽くめじゃないかって思うと、イライラも解消してしまうのである。
身体に害があり、お金の無駄遣いだと誰もが理解していながらタバコを吸っているわけで、一度もタバコを吸ったことが無い人から見れば、こんな愚かな行為は無いだろうが、それを一番分かっているのも喫煙者なのである。しかし、そんなことを考えてしまうとストレスが溜まって余計にタバコが吸いたくなってしまう。
デメリットに対して見て見ぬ振りをしていたわけだが、禁煙を開始した瞬間から、そのデメリットからの脱却を喜べるのである。それは喫煙期間が長くて喫煙本数が多ければ多いほど喜びも大きいわけだ。しかし、それはデメリットが無くなっただけで、ノンスモーカーから見ればごく普通のことであると気づき、そして禁煙した瞬間に健康になるわけでもないから、つい一本だけと手を出してしまう人が多いのではないだろうか。
私自身もまだ健康な身体になったとは感じないし、お金が貯まった実感もないが、12日間で7,200円が浮いたことになる。しかし、もうしばらくすれば身体が軽くなるはずだという期待感があり、毎年海外旅行に行けるほどの貯金が出来てしまうのである。ここで、撮影機材やクルマのパーツと考えないことが大事である。これまで出来なかったことが出来るようになると思うことが大事である。
しかし、毎日2時間もタバコと付き合ってきたわけで、つい勝手に身体が動きかけるのである。しかし最後の一本を吸った直後から身の回りのタバコ関係を一掃したので、一本だけっていうことは出来ない。
でも、のたうち回るほど吸いたければ、コンビニで24時間タバコは買えるが、そういう衝動はまったくない。
どうして、こんなに簡単に禁煙に成功したかは、「禁煙セラピー」なる本を読んだからである。この本の存在は、数年前から知っていた。あるお笑いタレントが「なんでかわからんけど止めれんねん」と言っていたのを覚えているが、「なんでかわからん」の感覚が自分が体験して理解できたように思う。
タバコを吸いながら読めと書かれているので、スパスパ吸いながら読むのだが、しっかり理解しながらじっくり読んでいるとすぐに眠くなってしまい、2週間もかかってしまった。そして読みながら、なんとなく止めれそうな気分になってくるのである。それだからこそ、最後の1本を先延ばしにしたい心理も働いて、お盆休みの初日にそのXデーの照準を合わせて、時間調整を図った。平日の仕事のある日にイライラが重なるのは嫌だったのと、ストレスの無い休日を選んだがそれがいい結果に繋がったのかもしれない。
最初は、流行の禁煙外来に行こうと思っていたのだが、実際に医者の薬で禁煙に挑戦している友人を見ても止めれそうな雰囲気を感じないし、どうも薬の副作用でだるいなんて言っているので、この「禁煙セラピー」を思い出したのである。
とにかく、素直な気分で読むことが大事であろう、天邪鬼な気持ちで読んでも効果はないし、自腹で本を買って、真剣に止めたいと思って読めば、タバコを吸うことが馬鹿らしくなって間違いなく成功するだろう。
今まで、喫煙場所を探していたことが、なんてくだらないことだったのかと感じればしめたものである。
ただ、タバコを止めたことで、すぐに体調がよくなると期待していたが、色々と問題が出てきている。とにかく眠いし、肌は荒れるし、しかし、これは確実に身体の中で変革が起こっていることは確かだ。こんな問題も次第におさまってきているようなので、これからが楽しみなのである。
この写真を撮った頃と今ではかなり世の中の状況も変化して、最近はこんなシチュエーションの写真も見なくなってきた。