シトロエンC3


昨年は、MINI COOPER Sを買いたいと書いたが、嫁さんのオペル・ヴィータが12年以上経過し、12万キロを超えたところで、そろそろヤバくなって来たこともあって、次を急いで探さなければならなくなったわけだ。
AT限定免許なので、2ペダルでBセグメントのボディサイズ(全長が4m前後のクラス)となると、アルファロメオのMiTo、アウディのA1なども候補に挙がってくるが、どうも嫁の好みではないらしい。VWのPORO GTIなんかは動力性能だけは私的に魅力的だが、ありふれているのと、平凡なデザインで却下である。

そんな時に見つけたのがシトロエンのDS3ってモデルである。エンジンはMINI COOPERと共通であるから問題はない。そして、巷で見かけることはほとんど無いレアなモデルと言えるシロモノである。挑戦的で男性的なデザインは私の好みであるが、嫁の目には魅力的には映らなかったようである。
しかし、ノーマークだったシトロエンに俄然興味が湧いてきたところで、DS4なるモデルが目に留まったが、クラスとしては少し大きくなってCセグメントになるが私はデザインに惚れてしまったのだ。

何はともあれ、実車が走っていないのだから、ディーラーに見に行くしかないと年が明けてすぐに神戸東灘のディーラーへ行ったのである。私のクルマで行ったので、営業マンはいささか驚いていたようだが、単なる冷やかしではないのはすぐに理解したようである。
ショールームに入ると、まずは最初にシトロエンに注目するきっかけになったDS3があったので、そっちを見る。DS4は?って営業マンに聞くと、展示はしていないが在庫車はあるので、すぐに見れるように用意しますとのこと。
私がDS3の品定めをしている間に、嫁はその奥にたたずむ赤いボディのC3に惹きつけられていく。
確かに、DS3と兄弟車にあたるC3の存在は私もチェック済みであったが、どうしてもファミリーカー的な印象があって、それほど魅力を感じていなかったというのが正直なところであった。

私としては、やっぱりC3に興味を持ったなと内心思いながら、嫁が見向きもしなかったDS3を見切ってC3の所へ。
ルーフの半分まで伸びるゼニス・フロントウインドウの開放感はイメージ以上で、丸っこいお尻も含めて、どうやら嫁はC3に一目ボレのようであった。
そうなってしまうと、ショウルームの前に横付けされて来たDS4に嫁は興味をまったく示さない状態である。
8割以上は嫁が乗るクルマであるから、私の好みを押し付けるわけにもいかないし、C3も思ったほど女性向けでもなくて私でもボディカラーを間違えなければ乗れそうな感じもする。3ドアのDS3に比べると5ドアのC3は、かなり使い勝手で有利であるのは否定できないし、一挙に第一候補に躍り出たのである。
スタイルは曲線基調の女性っぽさが漂うが、運転席からメータパネルやステアリング周辺は、DS3とほとんど共通でなかなかスポーティーである。

シトロエンのディーラーに向かう途中で寄り道した、アウディのディーラーで見たA1も、今は3ドアしかないのもあって、C3で決まりとなった。
私としては、DS3のターボモデルが欲しかったが、マニュアルシフトしかないのでボツ。C3はノンターボのみで、時代遅れの4速ATってのが最後まで引っかかりはしたが、最近のシトロエンのATはかなり良くなったと言われているし、ここは妥協してゼニス・フロントウインドウの開放感に期待してみることにしたわけだ。

そうなると、行動が早いのが私である。東京のディーラーに最上グレードの在庫があるのを見つけて即決である。ナビとバックカメラのオプションも付けて、1月末には登録が完了するという速攻と相成った。納車に時間が掛かるのは困るし、ダラダラ待つのは嫌いなので、陸送費を払っても惜しくは無かった。
もちろん、保証は地元で受けられるから問題はない。

色は、二人とも黒が良かったのだが、どうせ洗車するのは私の役目になるし、私のクルマと濃い色が2台になるのは大変である。だからといって赤も目立ちすぎるし、イメージカラーでもある流行の水色はいささか恥ずかしい。ヴィータと同じく一番汚れが目立たないシルバーは、フランス車には似合っていないように感じて、ここはスパッと白である。これは、正解だったと思っている。

走りの方だが、ノンターボの1.6Lで、MINI COOPERと同じエンジンはなかなかイイ感じで、嫁さんにはこれ以上は不要だし、私でも不満を感じるほどではなかったのは嬉しい誤算だった。

不満点としては、ブレーキが異常にカックンブレーキであること。ペダル少し足を乗せただけで、つんのめるように効くブレーキはオーバーサーボであり、パッドも悪い。私のように踏力に忠実に効くブレーキのクルマを乗り慣れている場合、C3に乗るとブレーキングのたびに疲れるのである。
もうひとつの不満点は、C3とDS3にはキセノンライトが用意されておらず、暗いハロゲンライトであることだ。

しかし、私にとって、この程度の不満点は障害でもなんでもない。すでにライトはHIDに変更し、ポジションランプもLED化済みである。
そして、ブレーキパッドもすぐに手配し、前後共交換した。もちろんDIYだ。
効きが唐突なだけでなく、500kmも走ればホイールが真っ黒になる、ブレーキダストともおさらばだ。

さて、さっそくロングドライブに出掛けたわけだが、頭上を通り越す勢いで伸びるフロントウィンドウの開放感は病み付きになるほどである。そして車内から風景が撮影できてしまうのだから、面白いではないか。


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