ポートレートのすすめ
ポートレート撮影は、誰でも一度はやってみたいものだと思います。
いつも彼女の写真を撮っているよって人もいるでしょう、でも、ポートレートとデートの時に
撮った写真は違うのです。
よく、定期入れに彼女の写真を入れていて、見せてくれることがあるのですがろくな写真はな
いですね。そして「写真写り悪いからなぁ」ってフォローがついてきます。
ある日、私がその彼女を撮ってあげたのですモデルの宣材写真のようなハイキーなやつをね。
そしたら、お二人さん喜んじゃいまして、友達の友達はみな友達って具合にバックオーダーを
抱え込むことになって困ったことがありました。
一般に「写真写りわるいからぁ・・・」って言うおんなの子は、撮って欲しいんですよ。
その言葉の裏側には「実物は絶対にイケテル!」って思っているんじゃないでしょうか。
事実、そうじゃないと私も写真を撮ってあげようなんて思いませんけど。
以前、よくサンプルのL版ダイレクトプリントを持ち歩いていまして、それを見せるのですが、
どんな写真なのか分かってもらいたいですし、その方がモデルになるおんなの子も安心するよ
うです。でも、サンプルの写真は非の付け所のないような美女は止めた方がいいですね、モデ
ルがいいだけだと思われますし、こんな美女ばかり撮ってる人に撮られるのは恥ずかしいとい
う意識が先行しちゃうみたいです。こんな気持ちを持たれるのが一番厄介なのですよ。
実際に公園とかで撮影しようということになりまして、私がクルマから機材を出すと、まず
最初大きな自作のレフ板が気になるようで「えぇー!こんなの使うのぉー!」って言われます。
人目のあるところで自分がレフを当てられるとは、想像もしていなかったようです。
事実、レフを使って撮影していますときらきら光りますので人目を引いてしまいます。
そして「なんか撮影してるで!」って声が聞こえてくるのです。そこで恥ずかしくてカチカチ
になってしまう人も多いのですが、逆に注目されて乗ってくる子もいるんです。
そして「クセになりそう」ってね。そんなタイプはいい写真が撮れることが多いです。
それから、多いパターンが頭のてっぺんから、足の先まで完璧にコーディネートしてやって来
るのです。女性服の通信販売のカタログ撮影じゃないんですから全身の写真ばかりってわけに
もいきませんし、元々私は上半身を中心にフレーミングしますので靴まで撮れといわれても困
ってしまいます。
これから、ポートレートをはじめたいと思われる方は、あちこちにサークルがあって小人数で
撮影会をやっていますし、フィルム会社やカメラメーカー主催の大掛かりな撮影会もあります
ので一度そちらに参加することをお勧めします。
そして、自分の今まで撮ってきた写真とポートレートの撮影では、かなり開きがあるのではな
いかと思うのですが、必ずいい経験になるはずですよ。
それにしても、大規模な撮影会に行きますと、白いレンズってこんなに売れてるのか・・・
日頃持っている人はあまり見掛けない、EOS−1NやF5が溢れています。
ですから、撮影会に行くようになると周りに感化されて、機材がどんどん増えてしまうという
恐ろしい結果になるかも知れません。
でも、とんだ勘違いオヤジも多いのです。サイン帳を持ってきてモデルのサインを集めてい
るやつ。あげくの果てに並んで記念撮影してるバカ。けんかをはじめる大バカども。
いったい何を考えているのか神経を疑いたくなります。
モデルに声をかけるのはいいことだと思うのですが、「目線くださーい!」と延々叫んでるや
つがいるのです、そしてモデルが見つめてくれて初めてファインダーを覗くヘンなやつ。
勘違いもはなはだしい、望遠レンズでモデルに見つめられることが快感なのでしょうか・・・
どう考えても作品を作ろうという感覚ではないですね。
大撮影会になりますと、参加者が1000人を超えることもありますからヘンはやつも多いの
は確かです。でも雑音を気にせず指導してくれる有名プロCマンのアドバイスを信じて一枚一
枚考えながら、たくさんシャッターを切って欲しいですね。
指導する先生がモデルを立たせますが、何故この位置なのかは説明してくれることも多いです
し、良く考えれば分かるはずです。そしてその時に先生が立っている位置がベスト・ポジショ
ンとなるのです。そしてその位置から左右1m離れてしまうと、その構図のよさが分からない
ことも多いですから、とにかくそのライン上でモデルとバックの空間を確認するといいです。
一流プロに教えてもらえるのですから、貴重なデータとして覚えておいて損はないと思います。