いい失敗、悪い失敗


先日、写歴1ヶ月で写真に熱中されていて、このReportの熱心な読者のF氏からメールが来
たのだが、普及機と普及レンズを使っておられて、7回も撮影会に参加されたという方である。
私は、無責任にも今のシステムの一部を売って、大口径レンズを一度使ってみたら目からウロコで
すよと…
そのF氏方から一週間ぶりにメールが来て、ナント!驚くなかれ、手持ちのシステムを全部売り飛
ばして、F5、F90X、それから、おねーちゃん写真にもってこいの大口径レンズを4本まとめ
てゲットしてきたと言うのです。〆て70数マン円也!!! なんて無謀な… イヤイヤ、なんてう
らやましい…?でもなくて、なんて頼もしい方でしょう!

私は、なんてことをしたのでしょう… 私がメールにあんなことを書かなければ…
「でも、ちっとも後悔してません」って書かれていたので一安心である。また、大口径レンズに大
感激だということで、ホッとした次第である。大感激ということは… 彼はこの一週間で機材を揃え
撮影会に3回も行って、すでに使いまくっていたのである。感心というより驚きであった。

そのF氏、私が助言を忠実に?守ってくれる方で、ポジを使い出したとのこと。そして失敗も多い
と書いてあったが、当然である。おそらくF5の3D−RGBマルチパターン測光は使わずに撮っ
てくれたのだと思う。あれに頼ると失敗は、ほとんど無くなるはずだからだ。しかし、結果よりも
過程であるから、私が薦めているスポット測光+露出補正で頑張って頂きたいものである。

さて、今日は失敗についてだが、F氏のようにネガから、ポジに変えて失敗。多いにケッコウ!
また、撮影後イメージが残っている間に、記録を付けているということで、ますますケッコウ!!
とにかく、撮って、結果を出さないと自分の頭の中にある撮影理論があっているのか間違っている
のか結局分からないのである。しかし、このF氏息切れしないで頑張って頂きたい。

悪い失敗であるが、それは不注意や、集中力の低下が招くものである。
例えば、スポット測光のつもりが、多分割測光になっていて、AEロックをとんでもないところで
かけていたり、露出補正の設定を忘れていたりと、撮影前にチェックしておけば避けられるような
ミスがある。
私も昔は露出補正が不適正の状態で何枚か撮ったあとで気づくことがあったが、今ではポーズごと
に補正値を1/3EV刻みでチェックする習慣がついた。、
また、フレームの中に、汚い看板やゴミが写っているのも神経が行き届いていないからである。
目の前できれいなモデルのおねーちゃんに、にっこりされて舞い上がっていてはいかんのだ。
さらに撮影の途中で電池が無くなったり、忘れ物をするなんてことは、論外である。

それと、防ぐことが出来る失敗としては、手ブレとピンボケである。これは練習と使用機材の組み
合わせで対処できるはずだ。私は天候やロケーションでフィルムを変えたり、レンズによって一脚
を使ったりと、余計なミスを未然に防ぐようにしている。

せっかくいい表情をしてくれり、無理なポーズやレフ板の眩しさを我慢してくれたモデルに対して
撮り手が手を抜いたことによってミスを犯して失敗写真にしてしまうのは失礼極まりないことだ。
もう二度と同じ写真は撮り直すことができないということを肝に銘じておきたいものである。

それから、モデルのおねーちゃんに対しての態度は特に注意が必要である。お互いに気分良く潤滑
に撮影を進めることが、ポートレートでは一番重要なことである。
モデルあってのポートレートであるから、決していやな思いをさせてはいけない。今日は楽しかっ
た!と思われるようにしたいものだ。
『良い雰囲気で撮影 → 良い表情 → 良い写真 → モデルが喜ぶ → また撮らせてもらえる』 と
いう具合になる。これを【おねーちゃん、カンバックの法則】という。
また、友達を紹介してくれる、オマケがついてくることまであり、【美人数珠つなぎの法則】とな
る。


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