レフを使おう


初めてポートレートを撮るとしたら、一番手軽なのは、近くの公園にでもお気に入りのオンナの子
を連れて行って、太陽の下で健康的に撮ることだ。
それで、適当な場所を探して、ブラブラ話しをしながら散歩ってことになる。用意周到にロケハン
をしてたとしても、このブラブラは是非やって頂きたい。そして、その時に場所を見つけたように
して撮影に入ろう。段取りとスケジュールが決まっているとオンナの子も緊張してしまう。

最初は、木陰にでも入って、やわらかく光が回った状態でしばらく撮る。心の中ではレフ板を早く
使いたいと思っていても、まだ使わない。あれをいきなりバーンと向けられると、かなり心臓の強
いオンナの子でもビビッてしまう。回りの目線も気になってしまう。

しかし、レフ板は屋外での撮影では必要不可欠なのだ。レフを使うと使わないとでは、写真の仕上
がりが大きく変わってしまうのだ。

まずは、逆光の座りポーズで地べたにレフを置いてその辺の石や木の枝でちょこっと角度を付けれ
ば顔がグッと明るくなって、活き活きとしてくる。同じ効果をストロボを使っても出来なくはない
が、実際の効果を確認することは出来ない。
その、効果を確認しながらライティングできるのは、便利この上ないことである。一度使えば手放
せなくなってしまうのである。

回りから、目立たない位置にレフを転がしての撮影でレフに慣れてくればしめたもの、徐々にレフ
をベスト・ポジションに持ってくればいいわけだ。いい光が創れると、キャッチライトが入って、
キラキラ瞳が輝いてくる。それがストロボであれば、かなり大きなデフューザーを付けない限り、
そのキャッチライトも小さな点にしかならないのである。だから、少女漫画の夢見る乙女の目には
ならない。
いくら、便利だといっても嫌われたくなければモデルに眩しくないか確認すること。またはレフか
ら目線を外したポーズにすること。

レフ板と言えば銀色のイメージがあるが、以外に良く使うのが白レフである。銀レフは曇りや雨の
時や、メリハリの効いたライティングをしたい時に使い、自然な感じに仕上げたい時は白を使うこ
とが多い。逆に金レフを使うのもなかなか面白い。先日発売された葉月里緒菜の写真集でも金レフ
が使われていたようだ。

さて、撮影も佳境に入り夕暮れとなった。そこまできたらモデルのオンナの子もかなりなれて来て
アップで迫っても、顔が引きつったり、プッと吹き出すこともなくなっているはず。それどころか
色っぽい目でレンズを見つめてくれるようになっているかもしれない。
そんな時には、例えば公園のベンチの木のテーブルを挟んで向かい合って座り、アップを狙いたい
ものだ。
しかし、かなり暗くなっているのでそのままではちょっと辛い状況だが、この雰囲気は押さえてお
きたい。しかし、ストロボをバシュッとやっては台無しになってしまう。
そこで、銀レフを上手く近くから当てれば、きれいに光が回ってなんともいえないいい雰囲気を醸
し出してくれる。撮影のラストを締めくくるのには持ってこいであろう。

普通、個人で撮影する場合はレフ持ちをしてくれる人がいないので、近くの塀や木などにもたれか
けて使うのだが、私はそれはあまりしない。いい光が創れないからである、仮に出来ても風が吹く
と飛んで行ってしまう。
一般に売っている丸い折たたみ式のレフだが、あれはふにゃふにゃしているし、一人では使いにく
いのである。それに値段も結構高かったりする。

そこで、私は何のためらいも無く自作モードに入るのである。クルマのパーツを自作することを考
えればスカみたいなものだ。自作するにあたっての条件としては、「三脚に取り付けて自由に角度
と高さが調節できること」がある。その為にはふにゃふにゃでは困るのだ。

大きなホームセンターに出かけることにしよう。さて、そこにはレフ板になりそうな素材がいっぱ
いある。出来れば事務机くらいの面積でどちらかの面が白い物を探したい。軽くて、ある程度の強
度があって、出来れば5mm以上の厚みが欲しい。その厚みが後で効いてくるのである。

あいにく、私の自作レフの写真がないのでお見せできればいいのだが…。
まずは真ん中でぶった切るのだ。そして折りたためるようにする。そして広げた時に平面の一枚の
板に戻らなければならないので、さっきの厚みが必要になるのだ。薄ければ絶対にシャキッとはな
らない。折りたたみ式にすることによって、クルマのトランクにも入るし、持ち運びが楽になる。
それから、角度をつけると簡単に立てることが出来るので、ネイチャー・フォト(おねーちゃんで
はない)で花を取る時などでも使いやすい。

折り曲げる部分の仕組みは、ホームセンターをぶらつくといくらでも転がっているが、私はシンプ
ル・イズ・ベストでやっている。それは自分で考えてもらいたい。
もう一面には、銀紙をくしゃくしゃにして貼り付ければよいが、それは台所用品の所に行けば、い
くらでも売っている。

あと、一番大事なことは、三脚との取り付け部分であるが、量販店でクイック・シューの一番安い
のを買ってきて、それをレフに取付ければいいのだが、絶対に固定しない仕組みにしないと、使い
にくい。私は洗濯バサミの親分のような強力クリップと金属のステーを合体させてそこにクイック
シューを取付けている。
その他、もろもろ手は加えているが、それは作ってから改良を加えればいい。

さあ!自分でレフを作った以上は、撮影会で不満だったヘボ・レフ係への欲求不満を爆発させよう
ではないか。しかし、レフでの光の創り方も奥が深いので研究あるのみ。


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