ロケーション選びって難しい


ポートレートを撮ろうとすると、まず初めに問題となるのが、モデルである。当然と言えば当然で
あるが、これが一番難しいのである。
カメラの前に立ってくれればだれでもいいってもんじゃない。撮りたいって思わせてくれて初めて
モデルといえるのである。
この問題をクリアしたら、今度はどこで撮ろうかってことになる。私は基本的にポートレートが好
きなので、ヌードのように気を使うことはそれほど無いが、一応ロケーションには凝りたいと思う。
とは、言いながら表情重視の撮影であるから、仕上がった写真を見ると、どこでも良かったような
気がしないでもないのだが、やっぱり雰囲気は大事だし、きれいな光が創りやすいってのは大きな
ロケーション選びのファクターとなる。

関西でも、大スポンサーや地元の写真店の主催する撮影会があるが、それで使用される場所は、ど
こも結構いい所である。個人撮影するには広すぎるとは思うがそれは1000人を越える人が集ま
ることを考えれば仕方のないところであろう。
でも、広いことはいいことで、それだけ選択の余地があるわけで、欲張ってうろうろし過ぎること
さえしなければ問題ない。場所探しに疲れてしまっては、本末転倒である。

関西で有名な撮影会のロケーションをあげてみよう。
大阪では、万博記念公園、鶴見緑地(花博跡地)、大阪城公園、天保山(海遊館周辺)、天王寺公園。
神戸では、ポートアイランド(ファッションタウン周辺)、須磨離宮公園、フルーツフラワーパーク、
六甲山牧場ってところだろうか。上手く狙えば旧居留地もいい雰囲気が出せる。

どの場所をとっても個人撮影に充分使えると思っている。問題となるのは、撮影会の場合は主催者
が、その場所の管理者に撮影許可を取っているのである。
だから個人的に撮る場合は、気をつけなければいけない。特に周辺の店や施設などが写る場合は、
注意を受けることがある。
一度、大阪の天王寺にある、フェスティバルゲートというビルがそのまま遊園地になったような、
新しいプレイスポットがあるのだが、そこではガードマンがすっ飛んで来て、どやされてしまった
経験がある。

新しい場所探しも楽しいが、撮影前にロケハンは欠かせないだろう。だから過去に撮影したところ
をつい使ってしまうことになる。しかし、季節、モデル、時間、天気によって様々に変わるのであ
る。それにロケーションが頭に入っているってことは、撮影プランが立て易く撮影に集中できるの
である。あのサンダー平山氏も得意中の得意として有名な海岸の洞窟ポイントを持っている。そこ
で撮った写真をかなりの数見るが、同じ写真は無いし、好きなだけあって上手く処理していると感
心する。

私の好きなルアー・フィッシングの世界でも、同じ川や湖に通いつめろということがよく言われる。
それは、中途半端に転々とするのではなく、何かを掴むまで石にかじりついてでも粘れと言うこと
である。それは撮影場所にもいえるのではないか・・・ そこで何か掴めればあとはその応用が何
処ででも通用するのではないだろうか。

そんな事を言ってはいるが、私は新しいモノ好きなのである。だから当然街を歩いていても、クル
マで走っていても常にここで撮るとしたら・・・・なんて考えてしまう。
しかし、ここでまた問題発生である。モデルがいなけりゃ撮影もなにもあったもんじゃない。
新しい試みとして考えている撮影には、こっちだけが頑張ってみても仕方の無い部分があって、や
はりこちらの意図を理解してくれ、積極的に作品作りに協力してくれるモデルがいい。共同作品な
んだよね、ポートレートって。

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