技術じゃカバーできねーよ


表情重視でおねーちゃんを撮っている私としては、今どうしても越えられない壁にぶち当てってい
て、またそれを越えることが出来ないことも分かっている。

それは、彼女たちの撮ったスナップを見て思うのだが、実に素晴らしい表情なんだ。あんな顔は私
のカメラの前ではしてくれたことが無いのでは・・・
当然と言えば当然か・・・　プロのモデルの場合は仕事としてモデルをしてるという感覚はどんな
に回を重ねて親しくなったとしてもあるものだと思う。確かにそうやって見せてくれる表情は素晴
らしく作品を作るにあたって何の文句もない。
しかし、もっといい顔を見てしまったんだからしょうがない。

友達や彼氏が撮った写真で見せる力の抜けた屈託の無い表情は、私がどれだけ機材を揃え、テクニ
ックを駆使したとしても撮れないのである。

または、自分でデジカメを構えて取ったセルフポートレートを見ても、リラックスして楽しみなが
ら撮ったものはすごくいいのだ。

確かに、技術的なことや構図の構成や見せ方は、私とは比較にならないのだが、いや、そんなこと
何も考えていないのかもしれない。しかし撮りたい時にいいタイミングで撮ることにかけては、私
にはどうする事も出来ない部分があって、またそれが伝わってくる。

また、こうして、ああしてと指示して撮ったポーズや表情と、自然に込み上げてきた笑顔や仕種で
は、こうも違うものかと思い知らされる。

私は、モデルとしての緊張感と、ある程度リラックスした彼女自身の姿が混ざり合った部分を見つ
けるところまで、なんとかたどり着き、カメラに収めることができかけているような気がしている。
しかし、それ以上踏み込んだ部分の表情とは残念ながら程遠いものなのだ。しかし、それはカメラ
マンが踏み込んではいけない聖地なのではないだろうか・・・？
しかし・・・写真としての完成度としては低いかもしれないが、その女の子の一番輝いてる姿を捕
えているわけで、それに写真としての完成度をプラスしてあげたいと思ってしまうのである。

以前にも書いたが、ポートレートのモデルとして撮ったあとすぐに、鈴鹿でレースクイーンの姿の
彼女にパドックで出会い、ちょうどその時が決勝レースのスタートを終えてホッと一息ってところ
だったのだが、その時に私に見せた表情は、彼女を何百枚も撮った中で一番いい顔をしている。
緊張感から解き放たれた直後に、パドック裏で知っているカメラマンに出会い、思わずＶサインを
してしまった・・・　プロのモデルの立場を忘れた瞬間だったのかもしれない。

どんな一流カメラマンの写真を見ても、モデルの作った表情しか撮れていないように見える。だか
ら私が求めているものは、とんだ無い物ねだりであり、技術と感性をを磨くことだけを考えればい
いのかもしれないが、何故か最近一番引っかかる部分である。

最近、ＢＢＳに顔を出しているＭｉｗａという女性だが、彼女は私の一番の友人であり、またモデ
ルでもあるのだ。私がポートレートを撮りはじめたころには良くモデルをしてもらった。
当然彼女はプロのモデルではないが、私のポートレート撮影のノウハウはかなり彼女での撮影で養
われたものである。Ｍｉｗａはいつも私の時は失敗するって怒っているが、確かに彼女を撮ってい
ると、普段のスナップに近い感覚となってしまうのは否めない。しかし、彼女の魅力あるキャラク
ターはその方が表現できるのだろう。
『本格的スナップ』を撮るには最高のパートナーであると思っている。ただ緊張感がまったく無く
なってしまうのである、ｍｉｗａといると。だから、ｍｉｗａが求めているようなしっとり系ポー
トレートを撮ってあげたことがない。でも撮ってあげたいと常々思っているのだが・・・

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