『素顔のままで』第五弾を撮り終えて


この撮影雑記であるが、基本的にはタイムリーにその時期に撮影した内容に則して書いている。
すべての写真に対してHTMLを作り撮影データや、コメントを書くのがベストなのは百も承知で
あるが、膨大な数の写真に対してそれをやるのは今となっては不可能に近いことである。
その代わりにと言うべきか、この撮影雑記で撮影中のことをいろいろ書いている。
だから、ここを読んでからGalleryを見てもらえば、また違った見方があるのではないかと
思っている。

今回の犬島での撮影は、前回はまなちゃんの部屋で撮ったので久し振りのロケとなった。9/19
の須磨海岸以来と言うことだが、その間の1ヵ月半で状況は様変わりしているのである。
それは、太陽の角度がまったく違うということだ。
11月ともなれば3時を過ぎると夕方モードの光線状況となる。須磨の時はその時間帯は日が傾く
まで水族園で遊んでいたのである。
それに引き換え、今回は最高の光線状態が3時過ぎから5時前までであった。本当は5時以降も撮
りたかったのだが、帰りの船の時間が5:15だったし、まなちゃんも疲れているように見えたの
で切り上げることにした。
今回は別としても、まなちゃんに「疲れた?」って聞いても無駄であり、それを口に出すようなま
なちゃんではないし、聞くだけヤボであるから、私も撮ることに夢中になり過ぎない様にする必要
があると、いつも自分に言い聞かせているのだが・・・・ まぁ「お腹空いた!」とは言ってくれ
るので本当に助かるのだ。

光が傾いてくると、ポートレートとしては絶好のライティングになる。順光でも逆光でも撮れてし
まうのである。逆光になれば多少のフレアーは出るが、パープルがかったムードのあるいい感じに
肌が染まる。今回は途中から自作ハレ切りボードも使ってみた。
順光でもトップライトと違い嫌な陰が出ることもないし、オレンジっぽい肌となる。どちらにして
も、夕方の撮影ではまなちゃんの得意の表情がピッタリと決まるのである。

ここ2、3日かなり冷え込んできたように感じるが、11/3は汗ばむ陽気で本当にラッキーだっ
たと思うのである。その時は暑いと思ったが、寒いよりずっといい。犬島は寒いと撮影にならない
ように思える。
何度も言うようだが、一般の撮影会は3時で終了というパターンが非常に多いのだが、それならい
っそのこと午後から始めて5時までにすればいいと私は常々思っているのだ、特に春と秋は。

前回の『素顔のままで』第4弾の公開後あたりから、かなり反響が来るようになり、まなちゃんと
喜んでいるのだが、このまま期待に応えようとすると本来の目的を見失ってしまうような気がして
きた。
私としては、まなちゃんのモデルとしての才能を引き出せるような、シチュエーションを考えつつ
力を抜いて楽しくモデルができているかが、いつも気になる所なのだ。
とは言っても、スナップではないので常に光の具合、バック処理、レンズの選択などを考えている
が、何よりも露出と、ピントだけは常に注意しているのである。
特に露出補正などは、撮り方が変わればそれに応じて補正値も変わるのだが、それを忘れてしまい
そうになることがある。ピントについても動いているまなちゃんに常にピントを合わせ続けるのは
無理であり、惜しいショットを何カットも見過ごしているのだ。その後すぐに同じことをやっても
らっても、それは二度と出来るものはない。

まなちゃんは、何カットかシャッターを切り終わった直後に、少しうつむきかげんになって、すご
くやわらかないい表情をすることが多いのだ。この前もその表情をファインダー越しに3回ほど見
たのだが、時間にして1秒にも満たないほんの一瞬のことなのである。
シャッターボタンには指をかけているのだが、ピントを合わせ直している時間がなく、どうやって
も捕まえることが出来ない。でも、いつかきっと・・・ と狙いすましているのである。
他にも、いい表情が出るタイミングは知っているのだが、これを読んでいるまなちゃんが意識して
しまうので、秘密ってことにしておこう。

<−戻る