ISO1600の効力


私は色々と試すのが好きで、常に何か新しい試みに挑戦していきたいと考えている。
私がずっと以前からやっていたことが、CAPA誌などで紹介されることもあって、実際にプロも
同じようなことをしていたんだ・・・ でも、私の方法の方が絶対にいいぞ。なんて思ったり、ま
たは、雑誌で紹介されたりしたら、馬鹿らしくなって自分ではやらなくなってしまうこともある。
しかし、このような気持ちは、また新しいことをやり始めるためのエネルギーになっているのだ。

それは、感材、ライティング、フィルターなどなんでもよく、思いついたらとにかくカタチにして
みたくなるので、道具を自作することも多いし、まったく用途の違うものを流用することもある。
これは、クルマのチューンをする時に自作パーツでメーカー製の高価なパーツをしのぐ性能を引き
出していたことがルーツになる。
これについては、一時バックオーダーを抱えていたこともあったが、商売気がまったく無いので、
気が向かなければ作らないし、材料費しか頂戴しない。取り付けやセッティングなどは自分のノウ
ハウの蓄積にもなるので、サービスってことだ。
これらは、すべてパワーを出すための原理を理解しているから出来ることであって、何も無い所か
らひらめくものではないのだ。
右脳人間であるのか、図面を引いたりするのが苦手で現物合わせでそれなりに造ってしまう。

写真の話しに戻すと、ある程度の基礎を学ぶことである。新しい機材がどうの、このレンズは描写
がどうとかのことを覚える暇があれば自分の機材で色々撮って、身体で覚えることが大事である。
新しいアイディアを試すには、こうすればどうなるか・・・ を予測できることが重要で、試行錯
誤する時間も無駄にせず、最短距離で結果を得たいものだ。

では、自分を振り返ってみて、今まで参加した撮影会とかを如何に有意義に過ごしてきたかを思い
返してもらいたい。たいして見本になるカメラマンも集まらないような撮影会で無駄なフィルムを
消費しても仕方が無い。他から盗むモノが無くても自分なりに創意工夫をやってきたかが、いざ個
人撮影のチャンスに恵まれた時に差がつくのである。そう、個人撮影の機会はひょんなことで訪れ
るものであって、準備期間など与えられないことが多いのである。その準備期間にお付き合いして
くれるような優しいモデルなんていないのだ。

ただ、単に女の子が撮れるから参加している人も多いし、サイン帳を持ち歩いているような人もい
るので、真似するカメラマンの選択は大事である。
結局、見て覚えるのが基本であり、最初に変なモノを見てしまうと自分まで変なモノになっている
ことに気が付かないことがある。特に影響力を持った主宰者がこれだと厄介なのだ。

私も変な団体をいくつか知っていて、最近ある団体については思わず説教してしまったことがある
が、ホントに分っちゃいない主宰者っているものである。友人の磯村氏とこのACCESSのよう
な所に巡り合えば、ラッキーなのに。

話をやっと今日のテーマに移すが、最近私はPROVIAのISO1600を使っている。前回も
それなりに効果があり、自分のイメージする絵に近づいたと思った。言っておくが、1600を使
ったらどうなるかな?という思考が働いたのではないということが重要なのである。その逆の発想
が大事だと思っている。同じ結果を得るのでも、そのプロセスが肝心なのだ。

私は時々Photoshopでレタッチして遊ぶことがあり、まなちゃんのパソコンでやってみせ
ていた時のことだが、その時に粒子を粗くしてコントラストを高めにアレンジしたヤツとかを作っ
たりしていた。まなちゃんも「いい感じだねぇ」って言っていたのだが、その時すでに私の中では
この効果をストレート写真で実現させることを考えていた。その為には色々な案を考えRMSを思
いっきり増感させるとかも考えたのであるが、増感することで徐々に実効感度が低下するという癖
が好きではないし、データ採りする暇もないので、素直にPROVIAの1600を使うことにし
た。

前回使ってみて得たことを参考に今回また少し違った使い方をしたのであるが、成功だったといえ
る。コントラストが高くなり少し露出を多めにかけると肌の色が飛び気味になる性質を掴んでいた
ので、それを逆利用して、ある意味モノトーンの世界を創れはしないものかと思ったのである。
さらに、軽くざらつきが残ってくれればいいと思ったのだが、結果は予想以上にいい感じとなった。
それは、まなちゃんの表情が良かったこともそう思わせた要因なのだが、この1600のフィルム
を入れたRSを持って、「まなちゃんの好きな1600で撮るからね」と一言かけたのが良かった
のではないかと思っている。
但し、このような表現はいくら上手くいっても乱発は禁物ってこと。
と言うことで、今日のオマケ画像はその時の一枚でPROVIAの1600でのカットである。

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