改めて『素顔のままで』一周年
9月23日に畳ケ浦で撮影した水着バージョン後編の本格的なスキャニングを開始したのだが、バ
ックのすみからフィルムがまた1本出てきたので、17本撮ったことになる。ダイジェスト版とし
て15カットほどスキャンしただけなので、これからしばらくはスキャンしてはまなちゃんに送る
って日々が続く。
あの日まなちゃんは、自宅から白いビキニをつけて、上からロングのワンピースを着て出発したの
だが、このワンピースは私にとって忘れられないものである。去年の夏に『素顔のままで』をスタ
ートさせた時に鶴見緑地で着てたのがそのワンピースなのだ。
一足先にアップしているムービーは、撮影後にふと思い出して帰り際に撮影したものだが、そこで
はそのワンピースを着ているので、気がついた人もいるかもしれない。
今回は第14弾ということになるが、1年振りにこのワンピースを着たまなちゃんを改めて見て、
この1年でまなちゃんもモデルとして大きくなったと感じた。それは撮影中よりも仕上がったポジ
を見た時に確信を持ってそう感じさせられた。
第1弾の撮影後に私がメールで写真を送ったが、その時まなちゃんは、「自分の中で仕事とプライ
ベートがごちゃごちゃで、なーんかどっちつかずの顔してる。」そして少し恥ずかしかったとコメ
ントしている。
私自身も、誰かを気にすることなくまなちゃんを自由に撮れる環境になって、どうやって撮ればい
いのか、迷いが見え隠れしている。
当時の私は、とにかく自然なまなちゃんを撮りたいと言う想いが強く、友達同士で撮ったスナップ
を見せられた時の「こんな表情してもらったことない・・・」って感じたことがその土台になって
いた。
まなちゃんが私にカメラマンとして求めていたのは、おふざけのスナップではないのは明らかで、
かといって、ガチガチの正統的ポートレートでもない。
その日の撮影では、これからやっていけるという感触が少しつかめただけで、満足であった。
こんな感じで、お互い手探りのスタートを切ったのだが、今回同じワンピースを着たまなちゃんは
落ち着きというか、貫禄出てきたよなーって思うわけだ。
私との撮影も撮ったスリーブの山を見れば、こんなに撮ってきたのか・・・ それに反して私とま
なちゃんとの間の壁はかなり低くなってきたようだ。
安心しきって、レンズの前にいてくれるのが分る。モデルしてる感じではなくて目の前にいるって
感覚かもしれない。
私がどんなイメージを描いていて、何を求めているかを気にする様子がなくなってきたように思う
のである。そこで私が指示を出した場合でも、あくまでまなちゃん流のスタイルを維持しながら、
それに応じてくれるようになった。なにごとについても余裕が感じられるのである。
元々、まなちゃんは流れの中でシャッターを切らせてくれる数少ないモデルの一人であったが、最
近は、それに一層磨きがかかってきたようで、どの表情ひとつとっても単発で浮いた感じがせず、
私がどこでどうシャッターを刻んで行くのかを読んでいるような動きなのだ。それでいて無理やり
作ったような不自然さを感じさせないのだから、私としてはシャッターを押してまなちゃんに気持
ちよく動いてもらうようにすればいいのだ。
今回の撮影で雨の時は雨宿りしていたパラソルの下の狭い場所で撮っている時間がかなりあったが、
50mmレンズやTS−E45mmでかなり寄っているのだが、息づかいが聞こえるような艶かし
さを出してくれる。どう表現すればいいのか言葉が見つからないのだが、撮影会では絶対に撮れな
い領域であることは確かである。