水着撮影全体を通して


まなちゃんと水着撮影の話が最初に出たのは、5月の終わりに神鍋のペンションで撮影した頃であ
ったと記憶しているが、具体的には特に考えておらず、まなちゃんの住む三次から近い日本海にし
ようということぐらいであった。時期的な問題は、彼女がミス三次になったことで夏休みの週末が
急に忙しくなってしまい、撮影の日がなかなか決まらなかったのである。

もし、ミス三次になっていなければ、8月に撮影しようとしたかもしれないが、結果として去年の
須磨同様9月にして正解であった。広島の人たちは海水浴には汚い瀬戸内海を避けて、日本海に行
くと言うまなちゃんの意見を尊重して、島根で適当に探そうと考えた。
当初は、海岸沿いの道をクルマで流しながらいいポイントを見つけて撮影するという方法を考えた
が、現実はそう簡単ではなく、一日一ヶ所でじっくり撮影する方法を採った。
とにかく、大きなパラソルとかもあって荷物が多く移動することが大変なのである。アシスタント
なしの二人だけなので、無駄な労力は使いたくなかったし、その必要も無い良いロケーションに恵
まれたことが大きい。

9月が正解の根拠は、人が少ないということとである。夏休みを避けるとしても7月当初であれば
沢山の人出が予想されるが、9月になると一気に閑散としてくるのだ。とにかく広角レンズを使う
場合には、バックが整理されることは重要なポイントである。
青い空と海に恵まれた石見海浜公園での1回目は広角レンズが使えたことでかなり撮影の幅が広が
った。また、2回目の畳ケ浦では、バックに人影が写ることは絶対に避けたいと思っていたが理想
的な状況となった。

今回なにより大きいのは2回撮影できたことである。それによって余裕のある進め方が出来たし、
まったく違うシチュエーションが実現でき、表現の幅が大きく広がった。
今回の撮影を一日でやろうと思えば、かなりキツイ状況になったはずだ。
それは、1回目の撮影の9/11の前夜まで雨の予想だったことで、まなちゃんにもう一度23日
に撮影することをOKしてもらっていてラッキーにも晴れてしまい、いい撮影ができたが、まなち
ゃんがあまりにもよかったのでそのまま予定通り2回目の撮影もやったのである。
せっかく、日を変えての撮影であるから、まったく違うロケーションと、それに応じたイメージで
望んだのだが、まなちゃん得意のパターンってこともあって、いいものが撮れたと思っている。

で、今回の水着撮影で使った機材であるが、ボディはEOS−1N RSとEOS−3。それと広角
専用のフォクトレンダーBESSA−Lに15mmレンズの組み合わせである。

このBESSA−Lでは、青い空と海を大きく写し込むことが目的であったが、日本海であるとい
うことがミソなのである。ここでピンと来た人は実際にそういう撮影を経験した人だと思うが、去
年の須磨は太平洋側で日本海とは正反対に海があるわけだ。ここまで言われても分らない人は、も
う少し光のことを考えて写真を撮ることだな。
撮影は当然昼間であるから、太陽は南側にあって太平洋側は逆光、日本海側は順光となる。ポート
レートは逆光で撮るというセオリーはここでは、こだわってはいけない。
健康的にまなちゃんに動き回ってもらう撮影では、順光でも構わないし、第一空が真っ青に写せる
のである。
したがって、南の島で撮影する場合どの方角に位置するビーチを選ぶかで、仕上がりがまったく違
うということである。

RSについては今回もプロビアの1600をセットしており、EOS−3でのカットの合間にタイ
ミングを考えて要所要所で使うというパターンである。ISO100のフィルムは基本的にフジの
アスティアを使用し、それにコダックのダイナハ・イカラーを2回目のしっとりパターンでは加え
ている。
そのダイナ・ハイカラーであるが、慣れ親しんだフジ系に比べ、肌が黄色味を帯びる傾向があるが
自然に近いといえばそうかもしれない。それに加えてこのフィルムとフィルムスキャナーのLS−
2000の相性がいいように感じているのだ、肌の滑らかさがうまく再現できているようなのであ
る。

最後は、やっぱりまなちゃんであるが、今回もいいモデルっぷりを見せてくれて、私の頭の中に浮
かんだイメージに基づいて、撮影ポイントやシチュエーションを決めているが、まなちゃんはその
イメージが伝わったかのように、モデルしてくれる。今回に限ったことではないが、カメラマンこ
とってこれ以上のプレゼントはないのだ。

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