モデルからの便り


私と共に作品創りをしている、もうひとりのモデルであるゆみちゃんから、大きな封書が届いた。
その中には、雑誌の切り抜きが数枚と手紙が入っていたのだが、この夏から事務所に近く仕事がし
やすいということで大阪のミナミで暮らし始めて、まだ電話が無くケータイでやり取りしてるゆみ
ちゃんだが、電話を引いていないということは、ネットが出来ないのでE−Mailも使えないっ
わけだ。
それで、手紙を書いてくれたのだが、E−Mailに慣れ親しんだここ何年かで、直筆の手紙の良
さを改めて感じたわけだ。
私が、そろそろ打合せをしようと電話したところ、「昨日手紙と切り抜き送りました」って言われ
たわけで、ゆみちゃんもしっかり撮影の事を考えてくれていたと再認識させられた。

そう言えば、まなちゃんも先日の島根での水着撮影の後、大急ぎで衣装の提供者に手紙を書いて、
私にことづけてくれた。
E−Mailではなく、手紙を書くという行為自体に暖かみを感じるではないか。
そんなモデルたちに恵まれているわけで、私はすごくやりやすいのである。
モデルと言えば、プライドが高く自分は特別だという自意識過剰なタイプが多いと思われがちだが、
本当にいいプロのモデルはそんなことはないのだ。中にはナニ様だと思ってるんじゃ?ってモデル
もいるが、そんなモデルにゃ用は無い。

今回のゆみちゃんの手紙は、久しぶりに撮影をするということで、そのイメージの写真を雑誌から
切り抜いて、それぞれに彼女の想いが書かれていた。そういう熱心で目的意識を持っているゆみち
ゃんであるが、口だけじゃないところがエライといつも思っているのである。

手紙には、近況や事務所側と話し合ッた結果、これからのゆみちゃんのやりたい事とかが書かれて
おり、私も力になってあげたいと感じずにはいられなかったのである。

今回は、宣材写真を撮るという目的も兼ねており、今まで撮ったものも宣材として使ってくれてい
るが、また新しいカットを撮ろうという事だ。
撮影のコンセプトも見えてきたので、今回は私には珍しくアシスタントを連れて行くことにしたの
だ。アシスタントと行ってもレフ持ちなのであるが、こき使ってやろうと思っている。
彼はポートレートどころか写真については素人同然であるが、自らレフ持ちをしたいと常々言って
いたので、三脚代わりに使ってやろうということになった。

私は常に三脚にレフを固定して撮ってきているので、歩くレフ持ちがいると撮りやすいのは確かで
ある。しかし、それはモデルがゆみちゃんであるからということがあるのだ。
まなちゃんとの撮影では、今のところそれは考えてはいない。

レフ持ちがいれば、風が強くても大丈夫だし、マルチレフも簡単に実現できるので、私自身かなり
楽ができる。素人ではあるがレフ位置や角度は私が指示すればいいことであって、変な癖がないだ
けに逆に良いとさえ思っている。

ゆみちゃんとの撮影は都会のど真ん中にあるフェスティバルゲートでの撮影であるとか、三脚固定
のレフが使い難い状況でのシチュエーションも多く、彼には今後も活躍してもらうことになるかも
しれない。

笑い話として、頼むから原色の服や間違っても蛍光色のジャケットなどを着てこないように言った
のだが、最初はその意味がよく分からなかったようだが、モデルに色が写り込む恐れがあると説明
すると、黒と灰色で統一するらしい、そして黒いマフラーと帽子と手袋までしましょうか?ってな
具合であった。

それから、時間があれば南京街での撮影をやってみたいと思っているが、そのイメージが頭の中で
完成しそうで、なかなかうまくまとまらないのであるが、ゆみちゃんと相談すれば何か浮かぶかも
しれないし、実際にその場に立てば自然とイメージが膨らむような気もする。

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