『素顔のままで』第15弾


まなちゃんが広島に住むようにようになってから、7回目の撮影ということになるが、今回はいつ
もより時間的に余裕を持った広島行きとなった。
土曜日の昼過ぎに広島入りし、そのまま彼女の通っている看護学校に直行して、まなちゃんが売っ
ているじゃがバターを食べさせてもらい、友達との記念写真を撮ったりして過ごし、その後しばら
くロケハンを兼ねて、看護学校の回りを見て回った。
そして、4時前から学校の近くで少し撮影することにしたが、コスモスが咲き乱れている所と陸上
競技場のトラックをバックにした撮影を行なった。

翌日は朝早くから、まなちゃんの実家のある高野町という島根との県境に近いところまで行くこと
にしたが、霧の海が有名な三次では朝起きて、天気が良いのか悪いのか分らないのである。この現
象は秋から春先まで続くようだが、今回初めて体験した。
クルマで北上するにつれて、霧も晴れて青空が広がってきたのである。またいい天気に恵まれたっ
てことだが、まずは雄滝、雌滝という彼女が中学の頃、学校をサボっておやつ持参で行っていた場
所である。
その話しを聞いたときに是非行ってみたいと思ったのである。
クルマでもかなりの距離であったが、この道を中学生のまなちゃんが歩いていたと思うと不思議な
気分でもあった。

その撮影の後、まなちゃんの実家にお邪魔することになり、お土産までもらってすっかりくつろい
でしまった。牛たちにも会えたし、彼女の育った環境に触れさせてもらえた貴重な時間であった。
私自身元々アウトドア志向であり、一月ほどゆっくりと鮎を捕ったり、緑のなかでボンヤリしてみ
たいと感じたのだ。まなちゃんともそんなゆっくりした時間の流れの中で撮影できたら、きっとい
いモノが撮れるはずだ。今回ばかりは駆け足の撮影が惜しく感じられたのである。

続いて、近くの古い木造の学校で撮影する予定であったが、教室の中に入る為の鍵もしっかり借り
れて、懐かしい黒板が残された教室で撮影できた。少し残念だったのが、すでに廃校になっている
のだが、町の施設として綺麗に作り直されている最中であり、もう少し早ければもっとよかったの
かもしれない。しかし、雰囲気は充分残されており、懐かしく思えるに充分であった。

そして、ラストはリンゴ園での撮影であるが、高野町の名産だということだ。だから、まなちゃん
の実家の近くにはたくさんリンゴ園があるのだが、その中でも一番真っ赤な種類のリンゴが実って
いるリンゴ園で撮らせてもらった。
子供の頃、まなちゃんが道端のリンゴをちぎって食べてしまったということだが、本当にそうして
しまいたいほど、リンゴ園があちこちにあるのだ。

そこでは、恒例となっているムービーの撮影をしたが、相変わらずまなちゃんは恥ずかしがってい
たので、可哀想になってしまって、今日はやめととこうか?って言うと、せっかくリンゴ園来たか
らねぇー。ってわけで今回もやってくれたのである。マナは動画は苦手なの・・・ってことだけど
これからは、まなちゃんが快くOKしてくれた時だけ撮ることにするつもりである。このムービー
が重荷になってしまうのは、私としても本意ではないのだ。

ざっと紹介するとこんな感じであるが、今回感じたのは観光写真にならずに、紅葉やリンゴの木な
どと組み合わせることの難しさである。まなちゃん自体、そういった記念写真的な撮影のモデルで
はないと私は思っているし、私に構成力が不足しているのは明らかである。
まなちゃんらしさを出しつつ、さりげなく回りの雰囲気を出せればいいのは分っているのだが、そ
れがなかなか難しい。

まなちゃんを撮っているのであって、紅葉を見せるのが目的ではないのだから、そこを上手く計算
した絵作りをする必要があるし、そうなるとレンズの選択やライティングを慎重にする必要がある。
しかし、私としてはまなちゃんとの撮影では、そのような撮影中に時間を取って露出を決めたり、
レンズ選択で悩みたくないのだ。バックと、まなちゃんとの輝度差も今回はある程度考えてはいる
が、すべて勘に任せているのだ。これに付いては仕上がりを見て自分の目がどれほど優秀な露出計
に成長しているか判断したい。
私自身、細々とマルチスポット測光などで輝度差を測ることは、ポートレートではしたくない派で
あるので、自分の目を鍛えていくつもりである。
で、今回の上がりを見た結果、今後もこの勘に頼って問題なさそうだ。

<−戻る